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【今週のリケジョ小町】次世代の「地図」を夢見て

ゼンリン 山根小百合(やまね・さゆり)さん
 ゼンリンの山根小百合さん(24)は、自動車の先進運転支援システム(ADAS)に欠かせない3次元(3D)地図向け点群データ作成ツールの改善に携わる。同データで信号やビルなどの位置情報を確定するため、作業には最新の注意が求められるが、将来の次世代地図開発を夢見て日々奮闘している。

地図とAI、組み合わせたい


 「学ぶなら人と違うことを」と、高校時代からプログラミング言語を学びました。福岡工業大学情報工学部情報システム工学科に進学後もプログラミングや組み込みシステムを学び、研究室では内視鏡外科手術に利用するトレーニング装置に挑みました。祖父が日曜大工好きだったので、モノづくりにも関心があるんです。

 入社後は希望した研究開発室に配属されてうれしかったです。現在はADAS用高精度3D地図のベースとなる点群データ作成ツールの改善を担当しています。点群は点で作った写真と言うと分かりやすいでしょうか。レーザーやカメラで取得したデータを点群化するために欠かせない作業です。

 ゼンリンは地図の会社ですが、アナログだけじゃないさまざまな情報を手がけている点が魅力です。北九州が好きで、社風が明るい点が当社を選んだ理由です。

 大学時代はニューラルネットワーク(神経回路網)研究も行っていたので、将来は地図と人工知能(AI)を組み合わせた製品開発をしたいです。地図を記憶して自走する道案内ロボットが登場したら楽しいですね。

 当社は休日が多く、ワークライフバランスにも優れた働きやすい職場です。結婚や出産後も皆復職されますし、私も続きたいです。

 北九州が大好きなので、転勤の可能性があるのが悩みです。地元のお魚を食べている時が幸せです。
                   

(文・写真=北九州支局長・大神浩二)
日刊工業新聞2018年3月5日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
地図最大手のゼンリンはADASだけでなく、ドローンでも東京電力と業務提携するなど存在感を増している。地図が2次元から3次元化することで可能性は飛躍的に高まる。ナビゲーションの進化はその好例だ。山根さんが夢見る、自走ロボットの登場もそう遠くない未来に実現しそうだ。 (日刊工業新聞北九州支局長・大神浩二)

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