脱日産のカルソカン、ボッシュなどで経験豊富な自動車のプロを社長に招聘
日産以外のビジネス開拓へ、待ちの姿勢を変える
カルソニックカンセイは5日、4月1日付で米ジョンソンコントロールズ(JCI)出身のベダ・ボルゼニウス氏(61)を社長兼最高経営責任者(CEO)に迎え入れる人事を発表した。森谷弘史社長(60)は代表権のある会長に就く。
ボルゼニウス氏はドイツ出身で、独ボッシュに約20年間勤務した後JCIに入社。アジア太平洋事業のヴァイス・チェアマンを務めたほか自動車部門において中国やドイツ・米国で要職を歴任した。
海外経験が豊富なボルゼニウス氏を社長に招き、日産自動車以外の取引先を開拓するなど、2021年度を最終年度とする中期経営計画の達成に向けた取り組みを加速させる。
森谷氏は会長として経営を支援する。カルソニックは17年に日産から独立し、米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の傘下に入った。
―日産自動車の傘下を離れました。
「日産向けビジネスが減ると心配する声もあったが、グループ企業だったから、ビジネスができたわけではない。技術力や競争力が日産に認められていたからだ。グループを離れたとはいえ、培われた技術があれば継続できる。日産向けビジネスをキープするのは非常に重要。失えば競争力がないことを自ら証明することになってしまう。一方、グループを離れたことでこれまで以上に日産以外の完成車メーカーとのビジネスチャレンジが生まれる環境になった」
―昨年10月に商品企画室を新設しました。狙いは。
「待ちの姿勢を変えるためだ。以前は日産からの要望に応えるという受け身の姿勢だったように思う。独立した部品メーカーとして各社に提案できる体制を強化する。そうでないと、日産以外からの受注を獲得できない。この姿勢を前面に打ち出すため、商品企画室が各ビジネスユニットの先行開発の進捗(しんちょく)管理や組織横断的に開発するものを明確にし、開発をリードしていくようにした」
―2021年度を最終年度とする中期経営計画では、日産以外の付加価値売上高を高める方針です。
「一番の成長分野はメーターなどの電子製品群だろう。ここをさらに伸ばしていく。従来から日産以外では、ラジエーターなどのサーマル管理部品を中心に拡販してきた。今後はサーマル系に加え、コックピットモジュールなどの内装製品や排気系製品についても拡販を進める。お客さまのために新しい工場が必要だということになれば、フリーに考えたい」
―親会社の米投資会社KKRとどういった関係を築きますか。
「KKRも当社も企業価値の向上が目的。完全にベクトルは合っている。新中計で掲げた付加価値売上高7500億円はM&A(合併・買収)などを含めないオーガニックな成長による数字だ。まずは自社で収益を増加させるが、その後M&Aやアライアンスなどの話が出てきた時にKKRの知見が重要になる。フランクかつオープンに論議できる環境ができた」
(聞き手=尾内淳憲)
ボルゼニウス氏はドイツ出身で、独ボッシュに約20年間勤務した後JCIに入社。アジア太平洋事業のヴァイス・チェアマンを務めたほか自動車部門において中国やドイツ・米国で要職を歴任した。
海外経験が豊富なボルゼニウス氏を社長に招き、日産自動車以外の取引先を開拓するなど、2021年度を最終年度とする中期経営計画の達成に向けた取り組みを加速させる。
森谷氏は会長として経営を支援する。カルソニックは17年に日産から独立し、米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の傘下に入った。
森谷弘史社長インタビュー
―日産自動車の傘下を離れました。
「日産向けビジネスが減ると心配する声もあったが、グループ企業だったから、ビジネスができたわけではない。技術力や競争力が日産に認められていたからだ。グループを離れたとはいえ、培われた技術があれば継続できる。日産向けビジネスをキープするのは非常に重要。失えば競争力がないことを自ら証明することになってしまう。一方、グループを離れたことでこれまで以上に日産以外の完成車メーカーとのビジネスチャレンジが生まれる環境になった」
―昨年10月に商品企画室を新設しました。狙いは。
「待ちの姿勢を変えるためだ。以前は日産からの要望に応えるという受け身の姿勢だったように思う。独立した部品メーカーとして各社に提案できる体制を強化する。そうでないと、日産以外からの受注を獲得できない。この姿勢を前面に打ち出すため、商品企画室が各ビジネスユニットの先行開発の進捗(しんちょく)管理や組織横断的に開発するものを明確にし、開発をリードしていくようにした」
―2021年度を最終年度とする中期経営計画では、日産以外の付加価値売上高を高める方針です。
「一番の成長分野はメーターなどの電子製品群だろう。ここをさらに伸ばしていく。従来から日産以外では、ラジエーターなどのサーマル管理部品を中心に拡販してきた。今後はサーマル系に加え、コックピットモジュールなどの内装製品や排気系製品についても拡販を進める。お客さまのために新しい工場が必要だということになれば、フリーに考えたい」
―親会社の米投資会社KKRとどういった関係を築きますか。
「KKRも当社も企業価値の向上が目的。完全にベクトルは合っている。新中計で掲げた付加価値売上高7500億円はM&A(合併・買収)などを含めないオーガニックな成長による数字だ。まずは自社で収益を増加させるが、その後M&Aやアライアンスなどの話が出てきた時にKKRの知見が重要になる。フランクかつオープンに論議できる環境ができた」
(聞き手=尾内淳憲)
日刊工業新聞2018年2年19日/3月6日