東芝メモリーが“賢い工場"へ、予兆診断や遠隔検査にAI

3D構造フラッシュメモリー、生産性向上や人手不足解消狙う

 東芝の半導体メモリー子会社、東芝メモリ(東京都港区)は3次元(3D)構造のNAND型フラッシュメモリーの量産ラインにスマートファクトリー技術を導入する。不良検査に人工知能(AI)技術を導入したほか、製造設備や工場内の動力設備にセンサーを取り付け、予兆診断や遠隔検査をする対象を拡大。2020年の量産開始を目指す岩手県北上市の新工場では遠隔生産システムを導入する方針だ。生産性の向上と人手不足に対応する。

 四日市工場(三重県四日市市)では、16年から2次元構造のNAND型フラッシュメモリーの生産に、AI技術を応用している。機械学習を使用してシリコンウエハーの画像データから、不良の原因となった工程や装置のトラブルを見つけるシステムと、ディープラーニング(深層学習)を活用した欠陥解析ツールを導入した。

 欠陥分類率は従来の約5割から8割に向上し、不良解析時間は6時間から2時間に短縮できた。このシステムを64層の3D構造NANDの量産にも応用する。

 また一部の加工設備や動力設備で、センサーを取り付けて稼働状況のデータを収集し、予兆診断や遠隔点検を始めた。今後は順次、対象範囲を広げる。

 工場内だけでなく、拠点間のネットワーク化も進める。北上市の新工場では、四日市工場と通信回線でつなぎ、四日市から遠隔操作できる仕組みの導入を検討している。また、後工程(検査・組み立て)を手がける海外の生産委託先を含め、仕掛かり品の進捗(しんちょく)状況を見える化するシステムを導入する計画だ。

 東芝メモリは18年度に、3000億円規模の設備投資を計画している。そのうちIT投資の額を増やしてスマートファクトリーの整備に充てる。

日刊工業新聞2018年3月2日

政年 佐貴惠

政年 佐貴惠
03月04日
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半導体業界では現在、人手不足が課題の一つとなっている。東芝メモリはスマートファクトリー化を進め、歩留まりや設備当たりの稼働率といった生産性の向上だけでなく、省人化にも対応する。

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