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魅力のベトナム市場、ダイキンが全域でエアコン販売・保守網

20年度までに整備、ライバルとの競争勝ち抜き価格維持へ
魅力のベトナム市場、ダイキンが全域でエアコン販売・保守網

ダイキンは高品質の施工と保守を提供できる人材を育てる(海外での空調の施工イメージ)

 ダイキン工業は2020年度までに、ベトナム全土を網羅するエアコンの販売・サービス体制を築く。販売と保守を担う地場販売店を16年度比約2・7倍の2000店、修理などを担当するサービス拠点を同3倍の25拠点に増やす。ベトナムは中間所得層が増え、インドなどと並びエアコン需要拡大が期待されるが、日本や韓国の競合との販売競争が必至。同社は中国などで培った知見を生かし、地域に根付いた販売網を敷く。

 ダイキン工業は高い施工技術ときめ細かいサービスを強みにブランド力を高め、現地で量販店を中心に拡販する他社に対抗する。価格競争を避けつつ、20年度をめどにベトナムのエアコン販売額を同4割増の700億円に引き上げる。

 同社は18年4月に、ハノイ市近郊の新工場で家庭用エアコンの現地生産を始める。敷地内にベトナムで初めてとなる訓練施設も開く。エアコンの施工などを訓練する設備を導入し、高品質の施工と保守を提供できる販売店の人材を育てる。20年には南部のホーチミン市の拠点にも同様の訓練施設を設ける。

 現地の販売店を統括するダイキン直轄の営業所は、16年度比倍増の10拠点に拡大する計画。これまでハノイなど、大都市圏の販売網を拡充してきたが、今後は地方に広げる。
日刊工業新聞2018年2月26日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
同社製のエアコンは現在、東南アジアで他社より1―2割高い販売価格を維持している。電力供給が不安定な地域では低価格エアコンの需要が根強いものの、顧客に安心感を提供するサービスの充実で販売価格を維持する。

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