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EMS事業での再起を図るOKI

子会社が医療機器の一貫受託を開始
EMS事業での再起を図るOKI

OKIのEMS事業の医療機器生産ライン

OKIは、医療機器の設計開発から製造まで一貫して受託できる体制を整えた。設計開発子会社のOKIアイディエス(群馬県高崎市)が、医療機器に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格「ISO13485」の認証を1月に取得した。より効率的に設計開発を受託できるようになり、画像処理や無線技術などを活用した医療機器の受託ビジネスの拡大を目指す。

従来も設計を受託していたが、委託企業がOKIアイディエスへ、国際規格に沿っているか審査する必要があり、手間がかかるため、受託を拡大できていなかった。認証取得により、安全で有効な設計開発ができることを証明するほか、委託企業によって作業内容を変える必要がなくなる。付加価値を高め、新規顧客の獲得を図る。

OKIグループは電子機器製造受託サービス(EMS)事業において、2009年にISO13485の製造プロセスでの認証を取得。OKIアイディエスは、ISO13485に加え、医療機器用ソフトウエア開発の安全規格やリスクマネジメント規格への適合性を確保した品質管理体制を構築している。

OKIは、19年度までの中期経営計画において、医療機器などの高付加価値製品でEMS事業の拡大を目指している。このうち、OKIアイディエスは、19年度の医療機器関連の売上高を17年度見込み比3・3倍の4億円に引き上げる。
(2018年2月14日)
政年佐貴惠
政年佐貴惠 Masatoshi Sakie 名古屋支社編集部 記者
半導体事業からの撤退など大リストラを敢行したOKIだが、プリンター事業やATM事業の不振が続き、未だ成長路線は見えにくい状態が続く。その中でも堅調に事業を拡大してきたのがEMS事業だ。事業構造の変換は前川崎秀一社長時代からの課題。プリンター事業の構造改革もメドが立ち始めた来期以降が、成長路線に振り向けられるかの正念場となりそう。

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