電機大手、好調決算に見え隠れする課題

主力事業の成長を一段と加速できるか

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過去最高の業績でも社長交代に踏み切るソニー。吉田次期社長(右)と平井社長
 経営再建中の東芝を除く電機大手7社の2017年4―12月期連結決算が5日出そろい、6社が増収、5社が営業増益となった。ソニーは映画などのほかエレクトロニクス分野が伸び、営業利益が前年同期比3・7倍の7126億円となった。日立製作所も情報通信や、鉄道などの社会・産業が好調で、両社とも営業利益が過去最高となった。電機大手が本業で稼ぐ構造が鮮明になってきた。

 ソニーはスマートフォン向け画像センサーの販売が堅調に推移したほか、テレビやデジタルカメラ事業の採算性が上向き、エレキ分野が業績をけん引した。価格競争から距離を置き、高付加価値路線を打ち出した戦略が実ってきた。

 日立は事業再編を実施してITと社会インフラに集中する戦略を鮮明にし「利益とキャッシュを稼げる構造ができつつある」(西山光秋最高財務責任者〈CFO〉)。パナソニックは産業・車載向け部品などのインダストリアル事業などが業績をけん引した。

 好決算は中国の底堅い景気や投資活発化が背景の一つ。三菱電機は現地のスマホ関連メーカーに向けFA機器を拡販し、全社の売上高と各利益段階が過去最高。日立も建機事業が好調だった。シャープも親会社の鴻海精密工業による支援もあり、中国で液晶テレビと液晶パネルが好調で、全社営業利益は前年同期比3・7倍と高い伸びを示した。

 18年3月期連結決算も総じて好調を維持しそうで、ソニーや三菱電機が業績見通しを上方修正した。三菱電機の松山彰宏専務執行役はFA機器事業について「18年度に入っても好調は続く」と語る。リスク要因として意識されるのは為替。日立の西山CFOは「円高傾向が見受けられるので、しっかりウオッチしていきたい」と話す。

 一方、情報通信技術(ICT)2社は、電機業界の好調の波に乗り切れない状況にある。17年4―12月期で富士通はネットワーク事業の不振などが響き、営業利益が同29・3%減の385億円。NECは日本航空電子工業の連結子会社化などで営業損益が黒字に転じたが、新たな中期経営計画で3000人の人員削減を実施する方針。
                     

日刊工業新聞2018年2月6日

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後藤信之
編集局ニュースセンター
副部長

また好決算の陰に課題が見え隠れする。パナソニックは大口顧客の米テスラの新車生産計画が遅延した影響を受け、通期で二次電池事業が営業赤字になる。ソニーの次期社長に内定した吉田憲一郎副社長兼CFOは「引き続き財務改善に取り組む」と強調する。環境変化に柔軟に対応したり、機動的に設備投資やM&A(合併・買収)を実行したりできるように財務基盤を強固にし、主力事業の成長を一段と加速できるかが問われる。

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