沖縄そば屋はブタ印、“歩いて作った”地図柄文具に新商品
ゼンリンは、那覇市の地図をデザインした文具「mati mati(マチマチ)那覇=写真」を発売した。国際通りや「新都心」といった中心部周辺の地図データを使用。公共施設や住宅などをカラフルに色分けしてデザインした。道路や建物の形状を精密な地図データを生かして再現。名物の沖縄そば店はブタのマークで地図に示した。
A4サイズのクリアファイル(消費税込み410円)、マスキングテープ(同464円)など4商品。沖縄県内やネットで発売した。全国販売も見込む。
「マチマチ」シリーズは2016年の第1弾から全国各地をテーマに種類を増やしてきた。那覇は14都市目となる。20―30代女性をターゲットに、同世代の女性社員が開発した。
同社は地図出版大手だが「一般認知度が低い」(広報室)ことから、地図を活用した新商品で認知を広げる“地図柄ビジネス”に取り組んでいる。
スマートフォンにカーナビゲーション(カーナビ)など、現代になくてはならない住宅地図や道路地図だが、製作は今も手作業で進められていることは意外に知られていない。地図最大手のゼンリンは全国70拠点に約1000人の調査スタッフを抱え、歩行・走行調査を北海道から沖縄まで日々行っている。歩行調査は市で年に1度、町村は2―5年に1度のペースで更新が進められる。
データベースは住宅地図、カーナビ、歩行者ナビゲーション、海外ナビゲーションに分けられる。このうち住宅地図は調査スタッフが道を歩き、建物をチェックして変更点のあるなしを記録していく。これをハンドデジタイザーと呼ぶ専用装置で入力する。データは約1000のレイヤー(階層)に分けられ、各階層ごとに国道、市道、町名、ビル名、人名など多層に管理する。
一方、同社製カーナビデータの特徴は道路でなく、建物の入り口まで案内するほど詳細だ。一般的にはカーナビに行き先を入力すると「目的地周辺に到着しました」で案内が終了するが、同社製品は河川や一方通行を迂回(うかい)して目的地前まで正確に案内する。全国の住宅地図を製作、提供するメーカーは同社しかなく、自治体や警察、消防、不動産業などは同社製データを基に市民生活を支えている。
近年、特に力を入れているのが3次元(3D)化だ。中でも自動車の自動運転に対応する高精度地図データの開発が進む。2020年頃に普及が本格化すると見られる自動運転支援の一つ「ADAS(エーダス=先進運転支援システム)」をサポートする技術だ。
具体的には、全方位カメラによる撮影画像とレーザーで取得した点群情報を融合して3D地図データを作成、道路情報として登録することで安全運転を手助けする。
数メートルの誤差が生じる全地球測位システム(GPS)よりも詳細で、標識や信号といった静的情報のほか、進行方向先にある急カーブや高速道路上の警戒領域などまで含むため、安全度は飛躍的に増す。
すでに専用機材を搭載した車両が稼働しており、データの蓄積・作成が着々と進められている。
A4サイズのクリアファイル(消費税込み410円)、マスキングテープ(同464円)など4商品。沖縄県内やネットで発売した。全国販売も見込む。
「マチマチ」シリーズは2016年の第1弾から全国各地をテーマに種類を増やしてきた。那覇は14都市目となる。20―30代女性をターゲットに、同世代の女性社員が開発した。
同社は地図出版大手だが「一般認知度が低い」(広報室)ことから、地図を活用した新商品で認知を広げる“地図柄ビジネス”に取り組んでいる。
日刊工業新聞2018年1月29日
精巧さの秘密は手作業 歩いてつくる地図
スマートフォンにカーナビゲーション(カーナビ)など、現代になくてはならない住宅地図や道路地図だが、製作は今も手作業で進められていることは意外に知られていない。地図最大手のゼンリンは全国70拠点に約1000人の調査スタッフを抱え、歩行・走行調査を北海道から沖縄まで日々行っている。歩行調査は市で年に1度、町村は2―5年に1度のペースで更新が進められる。
データベースは住宅地図、カーナビ、歩行者ナビゲーション、海外ナビゲーションに分けられる。このうち住宅地図は調査スタッフが道を歩き、建物をチェックして変更点のあるなしを記録していく。これをハンドデジタイザーと呼ぶ専用装置で入力する。データは約1000のレイヤー(階層)に分けられ、各階層ごとに国道、市道、町名、ビル名、人名など多層に管理する。
一方、同社製カーナビデータの特徴は道路でなく、建物の入り口まで案内するほど詳細だ。一般的にはカーナビに行き先を入力すると「目的地周辺に到着しました」で案内が終了するが、同社製品は河川や一方通行を迂回(うかい)して目的地前まで正確に案内する。全国の住宅地図を製作、提供するメーカーは同社しかなく、自治体や警察、消防、不動産業などは同社製データを基に市民生活を支えている。
近年、特に力を入れているのが3次元(3D)化だ。中でも自動車の自動運転に対応する高精度地図データの開発が進む。2020年頃に普及が本格化すると見られる自動運転支援の一つ「ADAS(エーダス=先進運転支援システム)」をサポートする技術だ。
具体的には、全方位カメラによる撮影画像とレーザーで取得した点群情報を融合して3D地図データを作成、道路情報として登録することで安全運転を手助けする。
数メートルの誤差が生じる全地球測位システム(GPS)よりも詳細で、標識や信号といった静的情報のほか、進行方向先にある急カーブや高速道路上の警戒領域などまで含むため、安全度は飛躍的に増す。
すでに専用機材を搭載した車両が稼働しており、データの蓄積・作成が着々と進められている。
日刊工業新聞2014年10月28日