センサーやLEDを配置、装着が簡単な全身触覚ウエア

南山大・帝人などが開発、VRゲームやアトラクションに

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パッチワーク可能な全身触覚スーツ(南山大提供)
 南山大学の野田聡人准教授と東京大学の増田祐一大学院生らは帝人と共同で、100個以上の振動子や体温センサー、発光ダイオード(LED)などを全身に配置できる「全身触覚ウエア」を開発した。ホラー映画中に肩をたたかれるような演出が可能になるほか、装着者は自由に動き回ることもできる。VR(仮想現実)ゲームやアトラクションなどに提案する。17日から東京ビッグサイトで始まるウエアラブルEXPOで発表する。

 ジャケットに帝人の導電糸を格子状に配線し、センサーや振動子に給電する。偏心モーターを利用した振動子で触覚が分かる。温度や加速度、受光素子などのセンサーも配置できる。振動デバイスは約3グラム、LEDデバイスが約2グラムと軽い。

 導電糸を介してデバイスの識別信号を送り、デバイスごとにオンオフを制御する。デバイス識別や通信にかかる時間は10ミリ秒以下と短く、着ている人が触覚提示の遅延を感じることはないという。

 毎秒100個以上のデバイスを制御できる。識別信号方式を採用したため、デバイスの制御数に制限がなくなった。

 帝人が配線布、南山大などがシステムを担当した。ウエアラブルスーツは装着するデバイスごとに配線すると製造で手間がかかり、着心地を損なう課題があった。

 配線布は通常の生地のようにデザイナーが衣服を作れる。装着者はセンサーや振動子の配置を自分の体格や肉付きに応じて変更できる。

 脱ぎ着が簡単で、着たまま動き回れる。加速度に応じて身体の部位に信号を送るなど、スポーツやVRアトラクションなどの用途を想定する。

日刊工業新聞2018年1月16日

COMMENT

小寺貴之
編集局中小企業部
記者

ウエアラブルのデバイスの数だけ電池と通信系を身につけるのは現実的ではなく、導電布とバッチ式のデバイスの組み合わせは面白いと思います。生体情報や身体動作、情報提示など機能の数だけセンサーやデバイスを身につけるなら、プラットフォームとなるウエアがあった方がいいです。単機能のウエアはそろそろ価格が下がって普及するはずだと思います。南山大と帝人のウエアはパッチワーク感覚で作れるので、市民参加型でアプリケーションを作るタイミングだと思います。個人的にはアウトドア用のテントや折りたたみイス、ハンモックを触覚対応にするなど、ウエアラブルに拘らないアプリの方が売れるように思います。

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