トヨタのAI開発に乗り遅れたデンソー。第ニ世代自動運転で巻き返し

今年、トヨタのAI子会社に参画。第一世代は限定的な関与か

 トヨタ自動車の人工知能(AI)研究開発子会社の米トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI、カリフォルニア州)に、デンソーが参画することが明らかになった。AIは自動運転などの最先端分野で中核を担う技術。自動運転では自動車メーカーのほか、IT企業大手など異業種からの参入も含めて開発競争が激化しており、トヨタグループも連携を強めてAIの高度化を急ぐ。

 TRIは元米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)プログラムマネージャーのギル・プラット最高経営責任者(CEO)が率いるAI研究開発拠点で、デンソーは2018年早々にも数人の研究者を送り込む。

 16年1月設立のTRIは自動運転やロボットに応用するAIの研究開発を推進し、20年までの5年間に約10億ドル(約1100億円)を投じる計画。人員は300人規模に向け増員している。

 トヨタは20年に高速道路で、20年代前半に一般道での自動運転技術の実用化を目指している。一方、デンソーはAIの先行開発をデンソーアイティーラボラトリ(東京都渋谷区)などで実施し、AI分野の世界的権威である金出武雄米カーネギーメロン大学教授と技術顧問契約も結んでいる。

 AI研究者は自動運転車の投入を計画する自動車大手や米グーグル系などのIT企業大手のほか、電機業界との間で争奪戦も起きている。トヨタとデンソーはAIで共同研究・開発を密にして競争力を高める。

日刊工業新聞2018年1月1日

中西 孝樹

中西 孝樹
01月04日
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2020年にも登場するトヨタの第一世代の自動運転車では、TRIはシミュレーター開発を中心に手がけ、画像認識でのデンソーのAI技術は限定的な存在に留まる公算。2023年頃の第二世代自動運転車でAI技術の挽回を目指すデンソーにとって、TRIとの連携は起死回生の戦略的な提携となりうる。2020年前後の第一世代は恐らく非常に多くの制約を伴った自動運転車となるだろう。競争力の確立はその先の2023-2025年を見据えた次世代車に移行してきていると考える。

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