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新型「カムリ」で見せたデンソーの“後方支援力“

開発した準ミリ波レーダー、マルチな仕事ぶり
新型「カムリ」で見せたデンソーの“後方支援力“

開発した準ミリ波レーダーの内部

 デンソーは、後側方の車両検知に役立つ24ギガヘルツ帯(ギガは10億)の準ミリ波レーダーを開発した。トヨタ自動車が7月に全面改良して発売した中型セダン「カムリ」に採用された。リアバンパー内に搭載し、車線変更時に隣の車線の後側方を走行する車両の存在を知らせるシステムなどに用いる。デンソーは前方を検知する77ギガヘルツ帯のミリ波レーダーも手がけており、ラインアップ拡充で需要を取り込む。

 車線変更時のほか、駐車場での後退時に後方車両の存在を運転手に通知する注意喚起や、衝突を避けるために自動ブレーキを制御するシステムに使われる。

 検知の方向や範囲の切り替えに利用する移相器MMIC(1チップマイクロ波IC)と電波の送受信MMICには米タワージャズの半導体ウエハーを採用し、出力レベルや受信感度を安定化した。
日刊工業新聞2017年8月11日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
カムリはトヨタの新設計思想「TNGA」を車両、パワートレーンを含めて全面展開した第1号車種。アイシン精機グループも新型のエンジン用オイルポンプや変速機、ディスクブレーキなどを開発するなど、トヨタ系サプライヤーの総合力が反映されている。

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