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骨折治療用のネジを作りだす加工機

島根大など開発へ
骨折治療用のネジを作りだす加工機

次世代の骨加工機で加工している骨ネジ

 島根大学医学部整形外科学教室は、島根県産業技術センター、日進製作所(京都府京丹後市)、ヒカワ精工(島根県出雲市)と共同で、患者自身の骨から骨折治療用のネジを作りだす加工機を開発する。骨ネジによる治療は、同大が2007年から12例行っている。加工時間を4分の1に減らし、複雑な3次元形状の加工もできる次世代機を開発し、19年4月以降の臨床適用を目指す。

 現在の骨ネジ加工機は、工業用旋盤を改良したもの。ネジ加工に1時間かかることや操作が難しいこと、ネジにしか加工できないといった課題がある。

 同センターが支援し、両社で次世代機を開発する。効率を高め15分でネジを加工できるようにするほか、医者が簡単に機械を操作できるソフトウエアも開発。マシニングセンターと同様の5軸構成とし、3次元形状の加工を可能にする。
日刊工業新聞2017年12月18日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
骨折部の接合には通常、人体との親和性が高いチタンなどのネジを使う。島根大は患者の脛骨(けいこつ)などから作るネジを使う手術を開発してきたが、操作性などの問題から適用が進んでいなかった。

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