蔦屋書店も全量買い取った、持ち主だけの金属製文房具

デライトラボ・金指代表に聞く「安心して買えるガラス張りの工房を設けたい」

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スーパーGTレース車のブレーキディスクから製作したペン立て
 デライトラボ(兵庫県尼崎市、金指博文代表、06・6415・9263)は、特注品や希少価値の高い金属製ステーショナリー(文房具)で需要を開拓している。人気を呼ぶのは、一般のメーカー製とは異なるハンドメードの「持ち主だけの1品」。金属加工会社や個性商品のセレクトショップなど外部とも巧みにつながり、個人経営ながら完結した事業モデルを築く。「将来は顧客の目の前で手づくりする“ガラス張りの工房”を設けたい」と意欲を示す金指代表に聞いた。

 ―どのような用途のステーショナリーを手がけているのですか。
 「真ちゅうやアルミニウム、ステンレス製のペンやペン立てなどで、旋盤で金属から削り出し、つくっている。自分だけのグッズにこだわる個人用やギフト用が多い。ペーパーウエート(文鎮)や小物入れも製作する」

 ―売れる理由は。
  「百貨店や専門店など、どこでも買えるモノは高額品であっても飽き足らないという消費者の感じが高まっている。例えば、スーパーGTレース車の使用済みディスクブレーキを素材にした限定20個のペン立ては、代官山蔦屋書店(東京都渋谷区)が販売用に全量買い取ってくれた。マニアにはとても魅力がある」

 ―どのように販路を築いてきたのですか。
 「初めは東急ハンズや蔦屋書店に置いてもらっていたが、“うちにも扱わせて欲しい”と、東京や大阪のセレクトショップなどから誘われた。高級ホテルのフロントにも直接ペン立てを納めている。自社やアマゾンのウェブサイトでネット受注も始めた。“取引先にオリジナルギフトを贈りたい”と、中小企業の経営者からも注文がくる」

 ―単独で製作から販売までをこなすのは難しくないですか。
 「加工機3台により自作するが、注文数の多い商品は、金属加工会社のゼロ精工(尼崎市)で製作してもらう。ネット受注の運営や経理は、知り合いの自営業らに手伝ってもらっている。組織や個人とチームを組んで、最小のコストでビジネスしているようなものだ」

 ―今後の計画は。
 「数量限定品では独自のブランドを立ち上げる。いずれは顧客がモノづくりの工程を見ることができ、安心して買えるガラス張りの工房を設けたい」
デライトラボ代表・金指博文氏

(聞き手=大阪・田井茂)

日刊工業新聞2017年12月19日

COMMENT

金指代表は、航空機部品などを製造するゼロ精工の創業者の1人。同社でステーショナリー事業のデザインを担い、2013年に独立してデライトラボを創業した。収益が安定せず“お荷物”となっていた同事業を、独立して引き受けた。「個人ならば大きな売上高は必要なく、経営も成り立つ」と説明する。兵庫県や神戸市の地場産ブランドに認定され、追い風も吹く。大手がまねのできないモノづくりと個人経営のノウハウで、成長策を練る。 (日刊工業新聞大阪支社・田井茂)

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