三菱重工社長、売上高5兆円にこだわる

次期中計、「中量産品のM&Aでトップラインを作る」

  • 0
  • 11
「5兆円は“マスト”だと考える」と宮永社長
 三菱重工業の宮永俊一社長は、2018年度にスタートする3カ年の次期中期経営計画で、売上高5兆円(18年3月期見込み比約2割増)の現在目標を堅持する考えを示した。足元では総売上高の約4割を占めるパワー部門の急激な落ち込みを受け、トップラインの伸び悩みが続くものの「常に安定した利益を確保していくには、5兆円は“マスト”だと考える」と述べた。

 パワー部門の中核事業である大型ガスタービンが、再生可能エネルギーの拡大に押され不振に陥っている。現段階で5兆円の到達には、5000億円ほど足りない状況。稼ぎ頭の苦戦で受注・売上高の積み上げに不透明感が漂う。

 その中で、フォークリフトや自動車用ターボチャージャー(過給器)といった中量産品が堅調に推移。次期中計は中量産品事業やM&A(合併・買収)などを駆使し、トップラインを作る。M&Aについては「チャンスがあればいつでもやっていく」と強調した。情報通信技術(ICT)やロボット関連を含め、多様なM&Aを検討する。

 また、開発中の小型旅客機「MRJ」の事業化や新規事業創出に向け、「財務基盤のさらなる強化が必要」と認識。次期中計では自己資本を2兆円(17年9月時点で1兆8345億円)まで高める考えだ。

 MRJについては、18年春に試験機2機程度を追加投入する方針をあらためて示した。現在の5機と合わせて7機体制にし、開発を加速する。20年半ばとする初号機の納入時期は変えず、「量産時期は22年度ごろになる見通しだ」と話した。

日刊工業新聞2017年12月18日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

トップラインを伸ばすのは結構だが、大型案件のプロジェクト管理やM&Aでの甘いデューデリが行われていては元も子もない。日立との火力統合会社や原発事業などパワー部門で手を打つべきことは多い。就任以来、社内の古き体質を改める改革に取り組んできた宮永社長。現段階ではその効果はあまり見えない。来年も続投するのか、マネジメント体制も波乱要因を抱える。

関連する記事はこちら

特集