ニュースイッチ

プレス機械でもEVシフト進む

アイダエンジ、モーター用プレス機増産
プレス機械でもEVシフト進む

アイダが能力増強する高速プレス

 アイダエンジニアリングは電気自動車(EV)のモーター部品を製造するプレス機械の生産能力を現在比1・5倍に引き上げる。近く正式決定し、2018年度に津久井事業所(相模原市緑区)で増産体制を整える。これとは別に中国での生産も検討する。同プレス受注高は17年度に16年度比1・5倍の60億円になる見通しだ。長期で拡大基調が見込めるため、能力増強を判断した。EVが設備需要を喚起している。

 アイダが増産する大型高速プレスは、モーターの基幹部品であるモーターコアの製造に向く。津久井事業所に約10億円を投じ、受注高で110億円規模の生産能力を確保する。同事業所で生産している小型プレスは、マレーシアへの生産移管を進める。

 大型高速プレスの販売は急伸している。アイダは17年度に16年度比5割増、18年度に同8割増の受注高72億円を計画した。18年度計画で現在の生産能力に達する見込みとなり、以後の成長分を今回の能力増強で当面補う。

 同社は中型、大型の高速プレスの国内シェアが約6割で首位級とみられる。中でも加圧能力300―400トンの大型は日本での競合が少ない。

 モーターコア以外にもEV関連の受注が続いている。米テスラからは14年に、今年は中国ベンチャーのフューチャーモビリティ(FMC、南京市)から、それぞれ車の外板を形作るプレス成形ラインを受注した。

 欧州や中国、インドなどでEVシフトが進み、自動車大手はEVの増産計画を掲げている。
EV用モーター関連の部材各社も増産に動く。発表によると、モーターコア製造では最大手級の三井ハイテックが19年に岐阜県に新工場を稼働させる。黒田精工も国内で増産計画を進めている。
日刊工業新聞2017年12月5日
六笠友和
六笠友和 Mukasa Tomokazu 編集局経済部 編集委員
EVの駆動モーターをめぐる各社の動きが活発です。 日本電産は4日、仏PSAと同モーターの合弁会社を設立すると発表しました。この日、帝国ホテルで開かれた記者会見で永守重信会長兼社長は、時間軸をキーワードにEVシフトによるクルマ産業の変革を語っていました。 大まかにはこんな内容でした。「従来のクルマは開発が長く、投資は莫大だった。EVならば、年2回新しいクルマが出る時代か想定される。従来のクルマメーカーの時間軸では勝てない。新規参入に打ち勝っていくには、時間軸を非常に早くするのがキー」。 さらに、日本の家電産業を引き合いに、「時間軸=コスト競争力に負けたと思う」と指摘しました。 伝統的なクルマメーカー組と、時間軸、価値観の異なる新規メーカー組。記事にある通りアイダエンジニアリングが、中国テンセントや台湾フォックスコンが出資する中国のEVベンチャー「FMC」から大型設備を受注しています。実績ゼロのFMCが40億円のプレス成形ラインを導入するそうです。彼らは大きく動いています。競争力を保つのに、時計の針を進める必要がありそうです。

編集部のおすすめ