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ルフトハンザも「A350」で日本にやって来た!

各航空会社、サービス拡充の中核機に
 ルフトハンザドイツ航空は2日、ミュンヘン-羽田線にA350-900型機を投入し運航を開始した。これはA340-600型機の退役に伴うもの。

 A350は、炭素繊維複合材やチタンなど最新先端材料を機体の70%以上使用し軽量化した旅客機。2015年9月、ベトナム航空がホーチミン—成田線に日本初就航させた。現在、シンガポール航空・デルタ航空・フィンエアー・カタール航空が乗り入れていて日本航空が19年に受領を予定している。
                  

                        

(文・写真=冨家邦裕)

ボーイング「787」と競う


 日本への定期便で、欧エアバスの最新型機「A350」の就航が相次いでいる。ベトナム航空が2016年10月、関西―ホーチミン線に日本の定期便として初めて導入。同年12月に中華航空とシンガポール航空が、17年1月に香港・キャセイパシフィック航空が導入した。エアバスは15年に初号機を納入し、2年間で全世界に70機を納めた。燃費も良いことから、長距離線を中心に日本にも導入が広がり始めている。

 ベトナム航空はエアバスA350を導入した2路線目として、3月26日に羽田―ハノイ線で運航を始めた。6月にはフィンランド・フィンエアー、19年にはJALが導入する計画で、今後も就航が続く予定だ。

 A350は機体の70%に、炭素繊維などの軽量素材を使用し軽量化している。300席クラスの従来機に比べ、燃費が約25%向上した。燃料費が4分の1削減となるため、コストの大半を燃料が占める航空会社にとって「収益の大幅な向上に直結する機材」(ベトナム航空)と期待が高い。

 初号機を受領した「ローンチカスタマー」は、中東のカタール航空で、15年1月に初就航した。ベトナム航空は14機を発注しており、15年7月にアジアの航空会社では初めてA350を受領した。

 同時期に運航を開始した米ボーイング787型機とともに、中核機と位置付け、現在まで7機を受領。日本へ初めてA350を就航させるなど、サービス拡充の切り札として、日本路線への投入を進めている。

 運航が始まった羽田―ハノイ線はA350の導入により、ビジネスクラスの機内食で、料理を一つずつ陶器の皿に盛って提供できるようになった。従来のA321に比べ、機材が約1・7倍に大型化したことで、機内のキッチンも広くなり、客室乗務員が機内で料理を盛り付けることが可能になったためだ。

 ベトナム航空は夏ごろをめどに、現在のビジネスクラスとエコノミークラスに加え、プレミアムエコノミークラスを設け、3クラスにする計画。より高いサービスを求める日本市場の需要に、きめ細かく対応していく。

日刊工業新聞2017年4月4日


明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
A350は現状、一部の国際線でしか乗れないレアな機材。だが、JALは国内線にも導入する計画で、20年頃には日本の空を頻繁に飛ぶ機材となりそうだ。

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