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ヤマハ発、汎用エンジン100万台体制へスバルの資産をフル活用!

中国工場を増産、大型モデルもライン新設
ヤマハ発、汎用エンジン100万台体制へスバルの資産をフル活用!

スバルから譲り受けたエンジン

 ヤマハ発動機は、発電機や芝刈り機に搭載される汎用エンジンの生産体制を、2021年に16年比3倍以上となる年間100万台規模に引き上げる。静岡県掛川市にSUBARU(スバル)から技術譲渡を受けた大型モデルの生産ラインを新設し、18年1月に稼働。さらにスバルから継承した中国生産のエンジンを21年に年間60万台規模に倍増する。商品ラインアップの拡充と生産、販売体制の強化により、先行する米メーカーやホンダを追う。

 子会社のヤマハモーターパワープロダクツ(YMPC、静岡県掛川市)に大型汎用エンジンの生産ラインを新設する。スバルから技術譲渡を受けたのは、V型2気筒の排気量650㏄2モデルと同720㏄モデル。掛川工場ではまず650㏄の1モデルと720㏄を年間1万台生産。その後、もう1モデルも追加し、3モデルで同4万台を計画する。

 ヤマハ発はスバルが中国で生産していたエンジンも継承した。スバルが生産委託していた中国重慶市の工場で生産する175㏄、190㏄クラスの汎用エンジンを10月にヤマハブランドに変更。当面は年間30万台規模で生産し、21年に同60万台と倍増を見込む。

 これによりヤマハ発の汎用エンジン生産は、21年に国内で5万台、中国ではYMPCの現地工場と現地メーカーの2拠点で95万台の計100万台体制が整う。

 ヤマハ発は10月にスバルから一部汎用エンジンの技術資産と米販売会社の譲渡を受け、中国生産のエンジンを引き継いだ。これを機に汎用エンジン事業を早期に拡大し、米国メーカーやホンダのシェアが高い同市場で存在感を高める。
日刊工業新聞2017年11月28日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
スバルは今年の社名変更なども見据え低収益だった汎用エンジンから撤退、選択と集中を進めた。スバルの事業損益はほぼトントン程度だっとみられる。今後、ヤマハ発がどのように収益性を上げていくかも見物だ。

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