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ヤマハ発動機の4輪参入、実用化に遅れも

発表したのはオフロード車、「ヤマハらしい4輪車を実現したい」(柳弘之社長)
ヤマハ発動機の4輪参入、実用化に遅れも

クロスハブコンセプト」

 ヤマハ発動機は、2019年の事業化を目指す4輪車のコンセプトモデルの第3弾となるスポーツ多目的車(SUV)「クロスハブコンセプト」を東京モーターショーで世界初公開した。4輪事業の進捗(しんちょく)について柳弘之社長は「ヤマハらしい4輪車を実現したい」と意欲を示す一方、「タイミングは検討中」と、市販時期が計画より遅れる可能性も示唆した。

 クロスハブコンセプトは前から1・2・1の変則的なダイヤモンド型にシートを配置。2台のバイクを搭載できる活動的なスタイルに仕上げた。同社はこれまで4輪車のコンセプトモデルとして13年に小型パーソナルモビリティ、15年にスポーツカーを出展しており、今回が第3弾。4輪車は「ガソリン車と電気自動車(EV)の両方を開発している」(柳社長)としている。
日刊工業新聞2017年10月26日
中西孝樹
中西孝樹 Nakanishi Takaki ナカニシ自動車産業リサーチ 代表
ヤマハ発動機の四輪車事業への参入計画が遅れている印象だ。本来であれば、2020年を目途付とする量産を意識したコンセプト者を発表すべきモーターショーであった。しかし、示されたのは実用化とははるかに遠い印象のオフロード車であった。ヤマハ発動機が四輪車への展開を進める意義は大きい。しかし、世界の自動車産業の変革のペースは速すぎ、当社単独でこの激流に追いつくことが可能であるのか。やや不安も漂う。

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