ファナックの次なる一手!「工場用IoT基盤普及へ」

会長・稲葉善治氏インタビュー

 ファナックは工場用IoT(モノのインターネット)基盤(プラットフォーム)「フィールド・システム」の運用を始めた。工場内のあらゆる機器をネットワークでつないで稼働データを収集分析し、生産性の向上などを実現できる新たなIoT基盤として注目される。稲葉善治会長に同システムの狙いや展望を聞いた。

―フィールド・システム導入により顧客は、工作機械や産業用ロボットなど工場内のあらゆる機器をメーカーに関わらずネットワークでつなぎ、稼働データを活用できるようになります。

「お客さまはフィールド・システム上で動くアプリケーションソフト(応用ソフト)を当社の専用サイトからダウンロードし、自社の製造現場に応じてアプリを組み合わせてデータを活用することで稼働率の向上などを実現できる。同システムはあくまでもこうしたサービスを提供するためのインフラであり、普及するためにはこれからどのようなアプリを開発し、運用するかにかかっている」

―開発ツールを提供することで第三者企業(サードパーティー)や顧客の工場側が、アプリを自由に開発できるオープンな環境を整備しています。

「当社以外にサードパーティーやフィールド・システムを提供するパートナーが独自のアプリを開発することを最も期待している。同システムは人工知能(AI)の活用も可能で、2018年3月末から機械学習や深層学習を使ったアプリも動かすことができる。今から何とも言えないが、あと3年くらいでアプリを100本以上に充実させたい」

―現状は稼働状況を分析して生産性を改善するアプリなど4種類を自ら開発して提供しています。

「キラーコンテンツとなるアプリを何本用意できるかも重要になる。その一つが既に提供する予防保全のアプリで、この機能をどんどん強化していく。また近いうちに工作機械の熱変位補正が可能なアプリの提供も考えている。他にもキラーコンテンツになり得る項目がありそうなので、順次開発していく」

―フィールド・システムを自社の工場に導入し、活用する取り組みも進めています。

「一部の工場ですでにハードウエアを導入するなどネットワーク環境を整備している。まずは日常業務を通じて当社の生産技術部隊が自ら工場で使えるアプリを開発する。その中で汎用性があれば、お客さまに使っていただけるようアプリの体裁を整えて提供することも検討していく」

日刊工業新聞2017年10月16日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
10月16日
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フィールド・システムではアプリを開発するサードパーティー、システムやネットワークを構築するインテグレーターなど多くのパートナーがサービスの運用に関わる。稲葉善治会長もロボットなどを販売する従来とは「全く違うビジネス」との認識を示す。パートナーとの連携を深めてサービスの質を高めることも、普及に向け重要なポイントとなりそうだ。
(日刊工業新聞社編集局第一産業部・西沢亮)

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