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サッポロが「視線の動き」を商品デザインに活用

売り上げが増加した例も
サッポロが「視線の動き」を商品デザインに活用

アイトラッキング機器を装着し視線の動きを時系列で記録する

 サッポロホールディングスは客の視線の動きをとらえる「アイトラッキング」手法を、商品パッケージングなどに活用する。缶チューハイの刷新時に同手法を活用した色やデザインを採用し、売り上げ増などの成果が出た。引き続き、グループの神州一味噌(東京都東久留米市)が2018年春に刷新するカップみそ汁のパッケージに、同手法を活用する予定。

 サッポロホールディングスは2014年にスウェーデン系のトビー・テクノロジー・ジャパン(東京都港区)からアイトラッキング機器を購入。利用ノウハウを蓄積してきた。アイトラッキングでは客にゴーグルを装着してもらい、最初にどこを見たか、何秒見ていたかなどの視線の動きを時系列で記録する。それを分析することで、客の目にとまりやすい商品パッケージデザインに活用する。

 第三のビールや缶チューハイは定番品以外に派生品、期間限定商品などアイテムが多く、商品が乱立する中でいかに選んでもらうかが重要なポイントになる。最終的に選ばれなくても視線が長くとどまっていれば、購入を検討した証明となる。「選ばれた商品との比較で、選考理由が価格か、デザインか、メーカー名なのかなどが分かる」(同社価値創造フロンティア研究所)。

 キレートレモン刷新では実験データに基づき、缶体色を銀色から緑色に変更し、売り上げが伸びた。「カップみそ汁は客がその場で決めるケースが多いため、目を引くデザインが特に重要になる」(神州一味噌)としている。

日刊工業新聞2017年10月24日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
大日本印刷はマーケティングに利用できる調査サービス「イメージバスケット」にVR技術を導入している。ウェブサイト上の仮想空間に商品が並ぶ売り場を再現。購買者が並んだ商品を手に取って閲覧するなど、実際の購買時の行動を把握できる。大手食品メーカーなどから引き合いがあるという。サッポロのソリューションはどこのものを活用しているか分からないが、テクノロジーも進化している。

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