食品パッケージのモニター調査にVR革命

大日本印刷、マーケィングのツールに。将来はAI活用も

 大日本印刷(DNP)はマーケティングに利用できる調査サービス「イメージバスケット」にVR(仮想現実)技術を導入している。ウェブサイト上の仮想空間に商品が並ぶ売り場を再現。購買者が並んだ商品を手に取って閲覧するなど、実際の購買時の行動を把握できる。すでにミツカングループなど大手食品メーカーなど6社から引き合いがあり、20件以上を受注している。

 DNPの新サービス「イメージバスケットVR」では、例えばパッケージリニューアル前後の2通りの売り場棚をつくり、棚には20種類程度の商品を陳列。売り場棚に合計で400人のモニターを誘引し、データ集計・分析、報告書の作成を行う。参考サービス価格は約120万円(消費税抜き)。DNPは2020年度に1億円の売り上げを目指している。

 近年、食品や日用品メーカーはパッケージを刷新した商品が市場に投入される前にモニター調査するなどマーケティングに注力している。ただ、こうしたモニター調査は実際の商品を用意するほか、店舗の協力も得なければならなかった。また、モニターの対象者を数百人集める必要があり、大量情報の精査などで課題があった。

 イメージバスケットVRはモニターの対象者も、従来は50―200人が限度だったが、数千人規模まで対応できる。パソコン画面に表示された売り場で、陳列棚の間を自由に移動できるほか、疑似的に手にとるなど動作も幅広い。VR技術を導入することで、行動プロセスや購買心理に関するビッグデータの取得を可能にした。

 商品の棚や売り場だけでなく、店舗全体のマーケティングなど、今後範囲を広げることを検討する。展示場などの来場者の行動プロセスを把握できる可能性もある。

日刊工業新聞2017年2月28日

日刊工業新聞 記者

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03月01日
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開発を担当したDNPマーケティング企画本部の天目隆平氏は「まだまだ開発は5合目。AI(人工知能)技術を用いることでアンケートを不要にしていきたい」と語る。具体的には仮想空間の中で、選ぶまでにかかった時間や所作といった行動だけによる購買心理などの分析を目指している。
(日刊工業新聞第一産業部・渡辺光太)

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