今注目される古民家の保存・再生にロボットが活躍!その場所は…
大和ハウス工業の自走式点検ロボット「モーグル」
**全国に100万棟
「作業者が家屋の床下へ入ることに抵抗を持つ人は多い。ロボット点検は信頼性を得られる」。日本の住文化である古民家の保存や利用を促す全国古民家再生協会(東京都港区)は床下点検に自走ロボットを活用している。同協会の活動に深く携わるアステティックスジャパン(松山市)の河野公宏社長は、ロボット導入の狙いをこう語る。
古民家は伝統工法を使って建築し築50年以上たった家を指す。古民家は全国に100万棟以上あるとされ、保存や利用の継続には各種点検や補修が欠かせない。古民家再生協会は全国に60支部を持ち、古民家鑑定士や床下診断士、耐震診断士など各種資格試験による人材育成や、古民家所有者への保険、認定制度などを実施している。
同協会は古民家の状況を把握する業務の一つの床下診断に大和ハウス工業の自走式点検ロボット「モーグル」を採用した。アステティックスジャパンも含め6台を2016年末に購入。各支部の床下点検業務に活用している。
モーグルはカメラを備えクローラーで自走する。土の上でも平気で、15センチメートルの段差を乗り越えられる。無線を介してリアルタイムに床下の様子をモニターへ映し出せる。
今年に入ってモーグルを本格稼働し、全国で毎月約10件ほどのペースで点検に利用している。作業員が床下点検する場合、現場で着替える手間があり、時間も1―2時間ほどかかる。狭い場所に潜り込むため移動や撮影に苦労していた。一方、モーグルを使うと30分から40分で作業が済む。木材が腐っている、シロアリがいるといった場合を除き、人による床下点検が必要なくなる。
河野社長は、床下点検作業自体の効率化以外にも効果は大きいと話す。まず、古民家の持ち主が一緒にモニターで点検内容を確認できる。床下はめったに入らず見えない場所。点検に不正があってもチェックできない。モニターで利用者に作業を見せることで信頼性が高まる。
また、ロボットという先端技術を使うことで、古民家の保存や再利用に貢献する協会の活動が周知される、という効果もあるという。同協会のイメージもアップする。「古民家の調査や鑑定という業務は特殊で、信頼性が大切。ロボットは信頼性やイメージを高めることに役立つ」(河野社長)と笑う。
同協会は点検ロボットの導入台数を増やして全支部ですぐ利用できるようにしたい考え。ロボットの作業者の教育も進めていくとしている。
「作業者が家屋の床下へ入ることに抵抗を持つ人は多い。ロボット点検は信頼性を得られる」。日本の住文化である古民家の保存や利用を促す全国古民家再生協会(東京都港区)は床下点検に自走ロボットを活用している。同協会の活動に深く携わるアステティックスジャパン(松山市)の河野公宏社長は、ロボット導入の狙いをこう語る。
古民家は伝統工法を使って建築し築50年以上たった家を指す。古民家は全国に100万棟以上あるとされ、保存や利用の継続には各種点検や補修が欠かせない。古民家再生協会は全国に60支部を持ち、古民家鑑定士や床下診断士、耐震診断士など各種資格試験による人材育成や、古民家所有者への保険、認定制度などを実施している。
同協会は古民家の状況を把握する業務の一つの床下診断に大和ハウス工業の自走式点検ロボット「モーグル」を採用した。アステティックスジャパンも含め6台を2016年末に購入。各支部の床下点検業務に活用している。
モーグルはカメラを備えクローラーで自走する。土の上でも平気で、15センチメートルの段差を乗り越えられる。無線を介してリアルタイムに床下の様子をモニターへ映し出せる。
作業効率アップ
今年に入ってモーグルを本格稼働し、全国で毎月約10件ほどのペースで点検に利用している。作業員が床下点検する場合、現場で着替える手間があり、時間も1―2時間ほどかかる。狭い場所に潜り込むため移動や撮影に苦労していた。一方、モーグルを使うと30分から40分で作業が済む。木材が腐っている、シロアリがいるといった場合を除き、人による床下点検が必要なくなる。
モニターで確認
河野社長は、床下点検作業自体の効率化以外にも効果は大きいと話す。まず、古民家の持ち主が一緒にモニターで点検内容を確認できる。床下はめったに入らず見えない場所。点検に不正があってもチェックできない。モニターで利用者に作業を見せることで信頼性が高まる。
また、ロボットという先端技術を使うことで、古民家の保存や再利用に貢献する協会の活動が周知される、という効果もあるという。同協会のイメージもアップする。「古民家の調査や鑑定という業務は特殊で、信頼性が大切。ロボットは信頼性やイメージを高めることに役立つ」(河野社長)と笑う。
同協会は点検ロボットの導入台数を増やして全支部ですぐ利用できるようにしたい考え。ロボットの作業者の教育も進めていくとしている。
日刊工業新聞2017年10月13日