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ヤクルトがネット販売スタート、配達するのはあのレディ

顔の見えるコミュニケーションを強みに
ヤクルトがネット販売スタート、配達するのはあのレディ

注文客に商品を手渡す「顔が見えるコミュニケーション」がヤクルトレディの強み

 ヤクルト本社は、インターネット上で注文できる「ヤクルト届けてネット」のサービスを首都圏近郊エリアで先行開始した。同社は「ヤクルトレディ」による訪問販売が主体だが、都市部では共働きや単身世帯で留守がちの家庭が増え、オートロックマンションの普及もあり営業活動が難しくなっている。届けてネットサービスにより、未利用者との接点拡大を図る。2018年度末めどに「全国へ拡大したい」(同社)計画だ。

 サービスを始めた地域は東京、神奈川、埼玉、千葉と群馬県南部および茨城県南部の一部。ヤクルトレディの宅配システムは今から50年以上前、1963年に誕生した。

 販売会社は全国に103社、レディの数は約3万6000人おり、全国津々浦々をカバーする。 社員と違い、定年がないため「中には80歳を超えてやっている人もいる」(同社)とし、地域とのつながりが強み。密着性を生かし、9月の敬老の日には高齢者宅に見回りを兼ねた花の届けサービスも行っている。

 届けてネットサービスでは乳酸菌飲料「ヤクルト400」なら7本1パックから注文でき、お試し買いを誘う。ただ、商品は宅配事業者ではなく、ヤクルトレディが届ける。「顔見知りになることでつながりが生まれ、継続注文やお伺い訪問が期待できる」(同社)と語る。

 電子商取引(EC)の拡大で、客から「クレジットカードでの支払いができるようにしてほしい」との注文もあるという。ヤクルト本社では新サービスを通じて、これらへの可能性も検証していく。
日刊工業新聞2017年10月5日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
まだネット販売なかったのか。これからヤクルトにとって「ヤクルトレディ」という資産がプラスになるのかそうはならないのか、注目したいところ。

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