台風の目?だけど市場シェア3%未満。LINEモバイル2年目の戦略

LINEモバイル・嘉戸彩乃社長、注力ポイントは「女性」

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 LINEの格安スマートフォンサービス「LINEモバイル」が提供開始から1年を迎えた。格安スマホ市場の台風の目になると見込まれたが、民間調査会社によると市場シェアは9月時点で3%未満にとどまる。LINEモバイル(東京都新宿区)の嘉戸彩乃社長に、契約者の拡大に向けた今後の戦略を聞いた。

―契約者の獲得状況は。

「足元で伸びている。純増数は毎月数万件に上っており(格安スマホサービスの中で)上位にいるのではないか。第三者機関の満足度調査でも評価されており、手応えを感じている」

―顧客に評価されているポイントは。

「コストパフォーマンスだろう。請求書を見た時に(安さなどに)驚いてもらっている。会員制交流サイト(SNS)などの(データ通信料が無料になる)カウントフリーサービスが効いている。同サービスの対象コンテンツの拡充は鋭意検討していく」

―格安スマホ市場は携帯大手のサブブランドが席巻していますが、対抗策は。

「同じように戦っても勝てない。サブブランドの顧客は毎月の利用料が3000円から5000円。そのレンジで戦うのはナンセンスだ。我々は3000円以下が今後一番伸びると見込んでおり、そのレンジで他の格安スマホ事業者との戦いに注力する」

―即日の受け渡しに対応する店舗は現在18店舗。少ないように思えます。

「出店は課題だ。政令指定都市を対象に出店を計画している。ただ、やみくもに拡大すれば良いわけではない。集客率などの投資効果を慎重に判断する。また、店舗がなくても大丈夫と言われるサポート体制を構築していきたい」

―店舗以外の具体的なサポート体制は。

「チャットサポートに注力している。年配の顧客は電話対応が中心だが、20―30代は6割以上がチャットで問い合わせる。現在、有人によるチャットについては契約者にのみ対応しているが、今後は見込み客にも開放する。(電話や実店舗を総合的に活用して)各年代の顧客が求めるサポート体制を整えたい」

―利用者を増やす上での今後の注力ポイントは。

「現状は女性客がなかなか獲得できていない。女性は(友人などからの)リアルな口コミで利用が広がる。女性客がサービスに満足して友人に推薦してもらえるような関係を構築したいが、その具体的な方法は見つかっていない。ただの紹介キャンペーンではなくLINEらしい何かを提供したい」
嘉戸彩乃社長

【記者の目/女性客取り込む有効打を】
 LINEモバイルは後発ながら、純増数では上位に位置する。ただ、市場シェアは低く、まだ存在感は示せていない。格安スマホ市場は今後も拡大が見込まれており、特に女性客は伸びしろの大きい市場と言える。女性客を取り込む有効打を見つけ、一気に存在感を高められるか、嘉戸社長の手腕が注目される。
(葭本隆太)

日刊工業新聞2017年10月5日

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

LINEのニュースなどのサービスは女性の利用率も多いため、LINEモバイルも女性に人気があるものと思っていましたが意外と存在感が薄いようです。

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