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シーメンスとアルストム、鉄道事業を統合へ。日立はどう動く?

シーメンスとアルストム、鉄道事業を統合へ。日立はどう動く?

英国都市間高速鉄道計画(IEP)向けの車両「クラス800」。昨年末に1号車両が現地工場で完成

 鉄道車両世界2位のドイツ・シーメンスと同3位のフランス・アルストムは26日、鉄道事業を統合すると発表した。新会社の売上高は153億ユーロ(約2兆円)となり、約3兆8千億円の最大手・中国中車に対抗する。

 シーメンスは同4位のカナダのボンバルディアとも事業統合交渉をしていたが、独仏連合が誕生した。一方で、欧州の鉄道車両分野で圧倒的な存在となるため、関係規制当局の承認の行方が注目される。

 日本企業では日立製作所の売上高が約5000億円。M&Aで事業規模を拡大しているが、今後、業界再編でどのような戦略をとるのか注目される。

<日立の鉄道事業の概要>



2017年6月8日「日立IRデー」の資料より

2017年6月8日「日立IRデー」の資料より

2017年6月8日「日立IRデー」の資料より

2017年6月8日「日立IRデー」の資料より


明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
鉄道事業は鉄道会社やその国の政府などとの関係性が大きく影響する。シーメンスとアルストムが単純に一緒になっても政治力という意味ではシナジーはあまりないだろう。コストコントロールと人材の使い方が重要になる。統合会社はリストラも不可欠。日立は鉄道事業は成長戦略の柱の1つなので、どこかと全面統合は考えにくい。ボンバルディアがどう動くかも注目。

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