積水ハウス、千葉大と共同でシックハウスを医学的に検証

大人からアレルギーを持つ子どもまで、数百人規模の滞在評価を実験

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積水ハウスによる既存の実験住宅
 積水ハウスは千葉大学と共同で、シックハウス症候群やアレルギー対策について住宅滞在型の大規模な実証研究を、11月に始める。千葉大学予防医学センターに新たな研究部門を立ち上げ、実験用の一戸建て住宅を着工した。5年間で延べ400人が参加する予定。

 化学物質を抑制した同社の住宅「エアキス」の効果を医学的に検証するほか、シックハウス症候群が発生する仕組みの解明や、良質な空気がもたらす健康への効果を検証する。

 千葉大柏の葉キャンパス(千葉県柏市)で実証実験住宅を着工した。エアキス仕様の軽量鉄骨住宅と在来工法による一般的な木造住宅の2棟を建てる。

 滞在評価は健康な大人から始め、アレルギーを持つ子どもなど対象を広げる。同センターによると企業と大学の医学部が連携した数百人規模の滞在評価実験は、世界にもほとんど例がないという。

 実験ではセンサーを用いて滞在者の自律神経の反応と、血圧や脳の血流量の変化などを測る。室内空気の質とシックハウス症候群との関係やアレルギー症状の発生具合、心理ストレス軽減や癒やしの効果などを検証する。

 また、実験期間中に揮発性有機化合物総量(TVOC)が低い建材のデータベースを構築。千葉大の知見を用い、医療従事者の立場から建材や施工に関する提案ができるコンサルティングシステムについても検討する。

日刊工業新聞2017年9月25日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

積水ハウスと千葉大は2007年に共同研究を開始。室内のTVOC濃度を1立方メートル当たり400マイクログラム以下に抑えるという厚生労働省の暫定目標値の裏付けなどを進めてきた。研究成果をもとに積水ハウスが11年に商品化したのがエアキスで、ホルムアルデヒドなど五つの化学物質の濃度を厚労省指針値の2分の1に抑えた。17年度上期は同社の鉄骨一戸建て住宅のおよそ93%に採用された。

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