「屋内レーダー」使い、工場作業者と協調ロボットの位置をミリ単位で捕捉

MIT発の米ヒューマティクス、エアバスやロッキードなどから20億円調達

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高周波で動いているロボットや作業者の位置をmm単位で捉えることが可能に(ヒューマティクスのウェブサイトから)
 測定精度がミリメートル単位の「屋内レーダー」開発を進めるスタートアップ、米ヒューマティクス(Humatics)が技術の商用化に向けて大きな一歩を踏み出した。このほどシリーズAの資金調達で1800万ドル(約20億円)の調達に成功。この技術を使えば、工場内で働く作業者や人協調ロボットなどの位置を高精度に捉え、安全かつ正確な作業が行えるようになるという。まずは製造分野に向けて、2018年に製品の販売とライセンス供与を始める予定だ。

 ヒューマティクスは2015年、米マサチューセッツ工科大学(MIT)で航空宇宙工学を専攻し、同社CEOを務めるデビッド・ミンデル教授らがマサチューセッツ州ケンブリッジで創業。19日に同社が発表したシリーズAの資金調達はデトロイトのフォンティナリス・パートナーズが主導し、欧エアバスおよび米ロッキード・マーチンのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)なども出資する。これでシードマネーも含め、2200万ドルを調達したことになる。

 同社によれば、GPSと高周波を組み合わせるこれまでのポジショニング手法だと精度が限られ、センチメートルから数メートルの誤差がある。また、カメラやセンサーによる位置捕捉システムは高価になりがちで、光の影響を受けやすい。それに対し、高周波だけを使うヒューマティクスの技術は大幅にコストを下げられるという。

 この「スペイシャル・インテリジェンス・プラットフォーム」は、高周波で人や物体をとらえるハードウエアと解析ソフトウエアで構成。30メートル以内に存在し、動き回る複数の対象物をミリメートル精度で位置特定できるとしている。

 さらに、製造現場や配送センターといった産業向けだけでなく、自動車、ドローン、スポーツ、ゲーム、防衛、医療などの分野にも応用可能という。同社ではシステムのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を通じて、精密な位置特定を可能にする「マイクロロケーション」関連の幅広い製品・サービスを生み出すエコシステム(生態系)づくりも目指す。

2017年9月24日付日刊工業新聞電子版

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会
委員長

欧エアバスおよび米ロッキード・マーチンのCVCが出資したのは、自社工場への適用を見込んでいるためのようです。

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