高校生ビジコン、次は中学生にも広がる?

主催の日本公庫が初めてOB・OG会を開催。中学生によるプレゼンも

 日本政策金融公庫が2013年から主催している「高校生ビジネスプラン・グランプリ」。前回の第4回はエントリー総数が2622件、参加校数324校、参加生徒数7520名といずれも過去最多となり、年々盛り上がりを見せている。

 先日、初めてOB・OG会が開かれ、過去の受賞者などが集った。中には起業した人もいる。立教大学経営学部2年生の小川嶺さんは、ファッションサービス「Recolle」の代表を務める。小川さんは第3回大会に出場した。

 高校生時代のプランは、増え続ける生活習慣病対策「歩いて野菜入手キャンペーン」。歩くという運動と食べるという野菜を組み合わせて、万歩計を使って歩いた歩数に応じて果物や野菜をプレゼントするという健康促進を狙いにしたプランを提案した。しかしファイナリストの10組に残れずセミファイナル止まり。「ファイナルで登壇しているみんなを見て悔しかった。その時の『自分もやってやるぞ』という気持ちが起業への原動力になっている」と小川さん。

 現在、事業化を目指している内容は、試着に目を付けたもの。「試着→SNSに写真を投稿→アプリ内のガチャガチャが引ける→割引券ゲット(割引率はガチャの結果)→購入するか判断」という流れだ。

 「試着というと、『買わなきゃいけない』と思ってしまい、身構えてしまうお客さんが多い。ショップ側も買わせるという意識の下に試着を勧めている。ショップも拡散させることにメリットを置き、試着をもっとゲーム感覚でもっと楽しい場所にしたい」と小川さん。その先には顧客データの分析などを想定している。

 一方で小川さんは「ビジコンから実際の事業化の間には深い谷がある。自分も『Recolle』にたどり着くまで、何度も失敗し修正を繰り返した。プランだけで満足せずに、こういう場に集まり、みんなで交流して、思い描いたプランをカタチにしていける流れをつくりたい」と話す。
起業したOBの小川さん

 今回のOB・OG会では特別イベントとして中学生によるビジネスプランの発表も行われた。提案者は東京学芸大学付属国際中等教育学校のチームたち。プランには社会課題の解決を目指すものも。

 例えば「減らそう!目指せ殺処分0の未来」。現在、全国で約8万2000頭の犬猫が殺処分されている。半分以上が赤ちゃん。譲渡数より殺処分数の方が多い。保護施設にいる犬や猫の数が年々増加、責任を持って飼育する人が少ないという課題がある。

 そこで「犬や猫を本当に飼えるかどうかを検討する場所を提供」するというプラン。実際に自分が飼えるかどうか判断できるように、ブリーダー体験や里親体験してもらう。他店との違いは、人員を必要最小限に抑え、里親体験では実際に家族の自宅に犬猫を送る。各体験でお金をもらう仕組みだ。

 OB・OGからのブラッシュアップでは、「普通のペットショップとの違いや強みをもっと出してほしい」、「お客さんにとってのメリットが少ないのでは?」という意見も出された。

 1回目から審査委員を務めるセルフウイングの平井由紀子社長は「ようやく中学生まで年代が下がってきた。米国やフィンランドなどは幼稚園から起業家教育が盛ん。もともと日本は起業家マインドがある国。この取り組みがより大きな広がりになって欲しい」と話す。

 第5回大会も審査がスタート。来年1月7日(日)、東京大学伊藤謝恩ホール(東京都文京区)にまた全国からファイナリストが集まってくる。
中学生のよるプレゼン

ニュースイッチオリジナル
第5回「高校生ビジネスプラン・グランプリ」公式ページ

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
09月22日
この記事のファシリテーター

小さいころ将来の夢を方々で聞かれて、「おはなやさん」「おかしやさん」「バレリーナ」「にんじゃ」色々挙げていました。「きぎょうかになりたい」と答える子どもが出てくる日も近いかもしれませんね。
(日刊工業新聞社業務局・月岡亜梨沙)

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。