兵庫と沖縄の「遠距離連携」、SNSで強固なチーム構築
【連載】高校生に学ぶ!ビジネスアイデアと戦略#3
兵庫県にある播磨農業高校は「地域活性化」という同じテーマでプロジェクト活動を行う沖縄県の高校とタッグを組み、総勢19名での挑戦となった。自宅生と寮生が混在するなか、沖縄県の高校生ともSNSなどを通じてうまく連携。強固なチームワークが築けた。
第3回のビジネスプラン・グランプリ最終審査会終了後の交流会がきっかけで意気投合。第4回は播磨農業高校と沖縄県の複数の高校から混成されるチーム(総勢19名)で応募。SNSなどを駆使してプランを決め、プレゼンの練習を重ね、実際にメンバーが集まれたのは、なんと最終審査会日。
産官学連携を軸に「地域活性化」に取り組む兵庫・沖縄両県のチームが広域ネットワークを構築。互いの地域で発見した「農業従事者減少」という問題を”食育”の推進によって解決するプラン。
地域の子供達に「農業の楽しさ」を伝えるため、タブレット端末などで利用できる農業の疑似体験アプリを開発し、食育の要素を取り入れる。さらに自治体や農家と連携してアプリ上で操作した内容を実際の畑で再現し、収穫した作物を使ってイベントなどを行う。地域にも情報発信し地域活性化を図る。
第3回のビジネスプラン・グランプリに一つ上の先輩が主体となり「地域連携で作った“醤油”でまちおこしを」というプランで初めて応募し、ベスト100を受賞。「次はぜひファイナリスト10組入りをして欲しい」という先輩の意志を継ぎ、第3回のメンバー(在校生)に新メンバーと沖縄県の高校生を加えた混成チームで応募した。
4月に活動を始めて早々におおよそのプランは決まっていた。ただそのプランがまとまらず時間ばかりが過ぎ去っていった。チームリーダーの坂本さんは「自分がとことん考えても分からないときは、先生や周囲の大人にアドバイスを求めました」と当時を振り返る。特に今回は距離の離れた沖縄の高校生とのコラボレーション企画。播磨農業高校の中でも自宅生と寮生に分かれていることに加え、沖縄県の高校生との混成チームであり、毎日の打ち合わせの内容を全員が 理解するという点には非常に苦労した。SNSや議事録などを使って努力したものの、作業効率が上がず、学業との両立は大変だったという。
食育を推進する方法として、「農業疑似体験アプリ」というテーマが決まってからは、トントン拍子で話が進んでいくことに。最も時間を割いたのは収支計画だった。最終審査会のプレゼン資料づくりでは、以前から交流のあった大学生から指導を受けて腕を磨いた。
<指導にあたった筒先稔規先生>
ビジネスプラン・グランプリに応募した理由は、昨年ファイナリスト10組入りを逃した先輩の意志を継いでのこと。自費で昨年の最終審査会の見学に行き、感銘を受け、そのときに交流会で今回のチーム結成のきっかけとなる出会いがありました。私から沖縄の担当の方に連絡を取り、お声掛けさせていただきました。プランづくりの難しさに加え、距離の壁を超える難しさに敢えて挑戦させました。
今回挑戦するにあたり、担当教員として一番伝えたかったのは生徒たちの頑張りに対して、学内のみならず地域の自治体、農家、大学など関わるたくさんの方に応援していただいているということ。そのことを生徒たちに知ってもらい、成果を残すことで恩返しになればとの思いがありました。
プランを通して沖縄県の高校生と協力し、さまざまな方法でコミュニケーションをとりプランをまとめた経験は、社会に出たときの糧になると思います。ビジネスプラン・グランプリに応募したことで生徒の成長が感じられました。後輩にも良い形で引き継ぐことができ、今後もぜひ挑戦したいですね。
播磨農業高校は、第3回最終審査会終了後の交流会で出会った 【一般社団法人沖縄SUN】の担当者を通じて、後にタッグを組むこととなる沖縄の高校生とつながった。前回、惜しくもファイナリスト10組入りを逃した播磨農業高校だが、当時のメンバーは、どんな高校生が最終審査会の舞台に立っているのか自身の目で確かめたいと思い、自費で最終審査会を見学し、大変感銘を受けた。
交流会では「何か面白いことができれば」という形で別れた。先輩達から託された「ぜひあのプレゼンの場に立って欲しい」という思いを引き継ぐ形で播磨農業高校から連携を提案。それぞれが地域の課題を調査する中で、沖縄県、兵庫県加西市がともに、「農家が急速に減っている」という農業に関する共通の問題が浮き彫りとなったほか、沖縄では地元商店街の活性化に問題を抱えることがわかった。その問題を解決するため、播磨と沖縄の高校がタッグを組み、プランづくりに取り組むことになった。
沖縄県のメンバーが決まったのが8月。そこから急ピッチで電話 やSNSなどさまざまな方法でプランのすり合わせやブラッシュアップを行ってきた。両県の生徒が初めて顔を合わせたのは最終審査会前日。距離があっても互いを理解する気持ちがあれば一つのプランができるということに、メンバーは自信を持った。
みんなで会ったのは最終審査会前日。SNSなどを駆使して準備
第3回のビジネスプラン・グランプリ最終審査会終了後の交流会がきっかけで意気投合。第4回は播磨農業高校と沖縄県の複数の高校から混成されるチーム(総勢19名)で応募。SNSなどを駆使してプランを決め、プレゼンの練習を重ね、実際にメンバーが集まれたのは、なんと最終審査会日。
“食育”の推進で農業従事者減少の問題を解決
産官学連携を軸に「地域活性化」に取り組む兵庫・沖縄両県のチームが広域ネットワークを構築。互いの地域で発見した「農業従事者減少」という問題を”食育”の推進によって解決するプラン。
地域の子供達に「農業の楽しさ」を伝えるため、タブレット端末などで利用できる農業の疑似体験アプリを開発し、食育の要素を取り入れる。さらに自治体や農家と連携してアプリ上で操作した内容を実際の畑で再現し、収穫した作物を使ってイベントなどを行う。地域にも情報発信し地域活性化を図る。
自分の考えや分からないことは大人に聞き、助言受ける
第3回のビジネスプラン・グランプリに一つ上の先輩が主体となり「地域連携で作った“醤油”でまちおこしを」というプランで初めて応募し、ベスト100を受賞。「次はぜひファイナリスト10組入りをして欲しい」という先輩の意志を継ぎ、第3回のメンバー(在校生)に新メンバーと沖縄県の高校生を加えた混成チームで応募した。
4月に活動を始めて早々におおよそのプランは決まっていた。ただそのプランがまとまらず時間ばかりが過ぎ去っていった。チームリーダーの坂本さんは「自分がとことん考えても分からないときは、先生や周囲の大人にアドバイスを求めました」と当時を振り返る。特に今回は距離の離れた沖縄の高校生とのコラボレーション企画。播磨農業高校の中でも自宅生と寮生に分かれていることに加え、沖縄県の高校生との混成チームであり、毎日の打ち合わせの内容を全員が 理解するという点には非常に苦労した。SNSや議事録などを使って努力したものの、作業効率が上がず、学業との両立は大変だったという。
食育を推進する方法として、「農業疑似体験アプリ」というテーマが決まってからは、トントン拍子で話が進んでいくことに。最も時間を割いたのは収支計画だった。最終審査会のプレゼン資料づくりでは、以前から交流のあった大学生から指導を受けて腕を磨いた。
チーム結成のきっかけつくる、距離の壁超える、あえて難しい挑戦させる
<指導にあたった筒先稔規先生>
ビジネスプラン・グランプリに応募した理由は、昨年ファイナリスト10組入りを逃した先輩の意志を継いでのこと。自費で昨年の最終審査会の見学に行き、感銘を受け、そのときに交流会で今回のチーム結成のきっかけとなる出会いがありました。私から沖縄の担当の方に連絡を取り、お声掛けさせていただきました。プランづくりの難しさに加え、距離の壁を超える難しさに敢えて挑戦させました。
今回挑戦するにあたり、担当教員として一番伝えたかったのは生徒たちの頑張りに対して、学内のみならず地域の自治体、農家、大学など関わるたくさんの方に応援していただいているということ。そのことを生徒たちに知ってもらい、成果を残すことで恩返しになればとの思いがありました。
プランを通して沖縄県の高校生と協力し、さまざまな方法でコミュニケーションをとりプランをまとめた経験は、社会に出たときの糧になると思います。ビジネスプラン・グランプリに応募したことで生徒の成長が感じられました。後輩にも良い形で引き継ぐことができ、今後もぜひ挑戦したいですね。
第3回のビジネスプラン・グランプリが縁つなぐ。ビデオ通話を駆使し猛練習。
播磨農業高校は、第3回最終審査会終了後の交流会で出会った 【一般社団法人沖縄SUN】の担当者を通じて、後にタッグを組むこととなる沖縄の高校生とつながった。前回、惜しくもファイナリスト10組入りを逃した播磨農業高校だが、当時のメンバーは、どんな高校生が最終審査会の舞台に立っているのか自身の目で確かめたいと思い、自費で最終審査会を見学し、大変感銘を受けた。
交流会では「何か面白いことができれば」という形で別れた。先輩達から託された「ぜひあのプレゼンの場に立って欲しい」という思いを引き継ぐ形で播磨農業高校から連携を提案。それぞれが地域の課題を調査する中で、沖縄県、兵庫県加西市がともに、「農家が急速に減っている」という農業に関する共通の問題が浮き彫りとなったほか、沖縄では地元商店街の活性化に問題を抱えることがわかった。その問題を解決するため、播磨と沖縄の高校がタッグを組み、プランづくりに取り組むことになった。
沖縄県のメンバーが決まったのが8月。そこから急ピッチで電話 やSNSなどさまざまな方法でプランのすり合わせやブラッシュアップを行ってきた。両県の生徒が初めて顔を合わせたのは最終審査会前日。距離があっても互いを理解する気持ちがあれば一つのプランができるということに、メンバーは自信を持った。
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