家庭用プリンターの年末商戦、年賀状需要に代わるものは?

キヤノンとエプソン、ヘビーユーザーに照準

 キヤノンとセイコーエプソンの家庭用プリンター大手2社は、年末商戦に向けて、大量に印刷するヘビーユーザーに焦点を当てた新製品を相次ぎ投入する。

 キヤノンは、多くの写真をプリントするユーザー向けに、低ランニングコストと高画質プリントを両立したインクジェット(IJ)プリンター「ピクサスXK」シリーズを22日に発売する。オンラインショップ価格は3万9880円(消費税抜き)から。

 新たにフォトブルーインクを加えた6色インクを開発し、インクカートリッジの大容量タイプを用意した。同カートリッジを使った場合「L版写真印刷のインクと用紙のコストを約12・5円に抑えられる」(キヤノン)という。6色目をグレーからフォトブルーに変更したことで、明るい空や雲などの淡い青をきれいに表現できるようになった。

 また、プリント枚数に応じて、キヤノンのオンラインショップでの購入やJCBギフトカードへの交換に利用できるポイントサービスを始めた。ユーザーの囲い込みを狙う。
キヤノンのIJプリンター「ピクサスXK70」

 一方、セイコーエプソンは、大容量インクタンクの「エコタンク搭載モデル」を拡充。カラリオの新モデルなどIJプリンターの新製品を発売した。エコタンクは、ボトルからプリンター本体に直接インクを注入する仕組み。A4印刷の複合機「EW―M670FT」は、4色インクを各1回交換すると、カラーで6000枚、白黒で7500枚印刷できる。

 印刷コストはA4カラー1枚当たり0・9円。セイコーエプソンは「月400枚以上印刷するユーザーはお得になる」(事業担当者)と説明する。価格は5万円台の中盤を想定する。

 また、新モデルからインクタンクの配置を本体の前面に変更しており、EW―M670FTは従来機に比べて横幅を14センチメートル短い約38センチメートルとした。このほかエコタンク搭載の新モデル全てに自動両面印刷機能を付けた。販売を拡大し、2020年度には日本国内で16年度比約10倍の80万台の販売を目指す。

 併せて、カラリオVエディションの新モデルとして「EP―50V」を11月に発売する。基本4色にグレーと赤を加えた6色で、紅葉などを鮮やかに表現する。L版写真印刷のランニングコストは12・7円(消費税抜き)で、キヤノンと激しい競争を繰り広げそうだ。
(文=梶原洵子)

日刊工業新聞2017年9月19日

日刊工業新聞 記者

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09月20日
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年末商戦と言えば、従来は年賀状印刷を狙ったものだったが、電子メールや会員制交流サイト(SNS)の普及で年賀状が減少。メーカーの狙いも様変わりしている。
(日刊工業新聞第一産業部・梶原洵子)

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