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清水建設が地震対策装置の定額サービス、オーナーの負担低減へ

耐震補強低コスト化
清水建設が地震対策装置の定額サービス、オーナーの負担低減へ

既存の建物に地震対策装置を設置するサービスを始める

 清水建設は今秋にも、既存の建物に設置する地震対策装置の提供サービスを始める。建物に取り付けた装置を同社が所有し、一定期間の定額サービス料金を受け取る。建物の所有者は地震対策装置の初期投資を抑えられ、コストを平準化できる。今後発生が想定される首都直下地震や南海トラフ地震などをはじめ、各地で頻発する地震対策ニーズを取り込む。

 清水建設は地震対策装置として、エネルギーを吸収するダンパーなどの制震装置や、エネルギーが建物に直接加わるのを防ぐ免震装置などを提供する。

 建物所有者のニーズや予算などに合わせ、耐震装置を選択する。清水建設が設計・施工した建物を中心にサービスを行う。補強後は一定のサービス料を収受。定期的に保守・点検も実施する。サービス期間は10年以上などの長期間を想定し、顧客との関係構築づくりに役立つとみる。

 また、顧客ニーズに応じて地震発生後、即座に建物の安全性を評価できる震動モニタリングシステムを設置するサービスも提供していく。

 建物の耐震補強は一定の初期投資がかかるため、建物の所有者が踏み切れない側面がある。ただ、新サービスを使えば装置分のコストを平準化できるため、導入しやすくなる。
日刊工業新聞2017年9月5日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
清水建設はこれまでに、建物の空調や熱源などエネルギー設備の提供サービスを展開し、病院などで採用実績がある。新たに地震対策装置にまでサービスを広げる。

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