建設ラッシュの次は解体ラッシュ?高層ビルの解体技術が着々と進化

高汎用性・工期短縮へ、ゼネコンが工法拡充

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大林組の「キューブカット工法」
 ゼネコン大手が高層ビルの解体工法を拡充している。大成建設は「テコレップシステム」を、大林組は「キューブカット工法」を進化させ、汎用性を高めたり、工期を短縮したりできるようにした。今後増加が予想される高層ビルの解体需要に備え、多様な解体ニーズに対応していく。両社の解体工法をみてみる。

 大成建設は高層ビルの解体工法として「テコレップシステム」を開発している。防音・防塵(じん)のため、建物の最上階を屋根として閉鎖空間を設け、建物上部から解体。屋根を支える仮設柱を設置し、ジャッキで屋根を下降する。旧グランドプリンスホテル赤坂(東京都千代田区)や旧赤坂ツインタワー東館(同港区)などで適用した。

 新開発の「テコレップ―light」はテコレップシステムを改良し、建物の最上部に鉄骨造の仮設の屋根を構築。建物の屋根と比べて軽いため、従来行っていた柱の補強が不要で工期を短縮できる。

 従来鉄筋コンクリート造(RC造)は躯(く)体重量があるため難しかったが、新工法では適用できる。

 解体の進行に合わせ、仮設屋根の下降に使うジャッキも半減した。テコレップ―lightにより、鉄骨造からRC造まで100メートル以上の高層ビルの解体に対応する。市原英樹建築総本部生産技術推進部次長は「都内のビルでの実証を検討している」と説明する。


 大林組は解体工法「キューブカット工法」を展開している。床や梁(はり)、柱をブロック単位に切断し、タワークレーンで地上に降ろして小割りする工法。ワイヤソーやロードカッターなどの機械で切断するため、重機と比べて粉じんや騒音、振動の発生を大幅に低減できる。これまでに16件の適用実績がある。

 今回キューブカット工法に移動昇降式の足場を組み合わせた工法を開発。足場の組み立てや解体を大幅に省力化した。移動昇降式の足場はマンションの改修工事などで使用されているが、解体工事での使用は初めて。足場を地上から組むのが難しい高層ビルの解体工事に活用できる。

 大林組は移動昇降式の足場を組み合わせたキューブカット工法を、現在解体作業を行っている東京銀行協会ビル(東京都千代田区)で初適用した。

 大久保雅章東京本店建築事業部生産技術部専門技術課担当課長は「解体する建物の高層化に対応する」と説明。今後高層ビルでは、移動昇降式足場を組み合わせたキューブカット工法を展開する方針だ。

:日刊工業新聞2017年8月23日

COMMENT

尾本憲由
編集局
ニュースセンター長

ビル解体といえば、ダイナマイトでドッカーンというイメージが子どものころから頭にこびりついてました。まあ、都心部の高層ビルともなると、そんなことはさすがに無理か・・・。ただ将来、人口減を背景に都心部でも地価が下落に転じるようなことになれば、解体コストは重荷になるはず。超巨大な幽霊ビルが登場しないように、コスト低減に向けた技術開発がもっともっと必要になりそうですね。

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