「理科大」で真っ先に思いつくのは?大学にも商標登録が欠かせない

関西では理科大といえば岡山理科大学だが…

 サラリーマンの昼食を探訪する番組で「社長は何を食べているのか?」と言うのを見た。これで思い出したのが、自分のサラリーマン時代の昼食。1962年(昭和37)の入社当時、昼食は会社の弁当工場で作られたものを、全員が一緒に食べた。社長の土光敏夫さんも同じものを食べていると聞いた。

 入社したのは石川島播磨重工業で、入社の前々年に旧石川島重工業と旧播磨造船所とが合併していて、筆者は合併後最初の新入社員であった。略称は英文社名の頭文字をとってIHIとしたが、現在はこれが社名となっている。学生時代に英国最大の化学会社名ICI(インペリアル・ケミカル・インダストリー)を知っていたので、若干の違和感があった。

 側聞によれば、土光さんは両社は対等という意味で旧社名の連名を新社名としたとのことであった。当時、社名を言う度に、長いと感じていたが、最近はより長い合併後の社名もあり、このような命名の先駆けになったものと思われる。

 ところで、大学の名前にも長いのがある。筆者の勤務先であった東京理科大学法人は、諏訪と山口に別大学を設置していて、それぞれ、諏訪東京理科大学、山口東京理科大学という名称である。山口の方は、最近、経営が山陽小野田市に移り、名称は山陽小野田市立山口東京理科大学に変わった。地元での略称は理科大であるが、一般的には山口理科大などと呼ばれている。移行によっても人員・設備は変わっていないが、受験生は大幅に増えている。

 「理科大」と呼ばれている大学に、全く別法人の大学がある。それは、最近、よく報道される加計(かけ)学園の大学である。学校法人加計学園が経営する大学には3大学がある。その中の一つに岡山理科大学がある。関西では理科大といえば岡山理科大学のことである。

 「岡山理科大と東京理科大学は同じ経営の大学ですか?」という質問を良く受けるが、すでに述べたように全く別の大学で、人的交流などもない。

 ニュースで愛媛県今治市に加計学園の獣医学部としての建設現場に「理大」の案内板が写っていた。東京理科大学の校章は、理大という文字で構成されているので、複雑な思いがした。大学名においても商標登録が必要である。

 例えば「東京大学」「東大」などは商標として登録されている。混乱を防ぐためにも、大学も企業と同じように商標登録が必要であろう。

(文=大江修造<日本開発工学会会長・東京理科大学元教授>)

日刊工業新聞社2017年8月28日

明 豊

明 豊
08月30日
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「明大」「名大」、「近大」「金大」…。結構ありそうですね。

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