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雲の生成を抑える原因は土や落ち葉?

北大研究グループ、エアロゾルの組成を測定
雲の生成を抑える原因は土や落ち葉?

北大苫小牧研究林の観測タワー(北大提供)

 北海道大学低温科学研究所の宮﨑雄三助教らは、秋に森林内の地表の土壌や落ち葉が大気へ放出する有機物が、雲の生成を抑える可能性があると明らかにした。地球温暖化のシミュレーションにつながる可能性がある。成果は英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

 研究グループは、北大苫小牧研究林(北海道苫小牧市)にある観測タワーで、雲の生成などに関わる大気中の「浮遊微粒子」(エアロゾル)を収集。エアロゾルの組成を測定したところ、雲粒を生成する能力(雲粒生成能力)は夏に最大、秋に最小となることを突き止めた。

 またエアロゾルの成分のうち、雲の生成を促進する「硫酸塩」に比べ、「有機物」の割合が大きくなる方が、雲粒生成能力が小さくなることも分かった。

 森林内の土壌や落ち葉などが放出する有機物がエアロゾルとなり、雲の生成能力を抑制している可能性があるという。

 エアロゾルは太陽の光を効果的に散乱・吸収するなど、地球温暖化を抑える役割を果たす。だが、その起源などははっきり分かっていなかった。
日刊工業新聞2017年8月29日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
山から雲が湧き上がってくる様子をよく見るので、落ち葉や土壌が雲の生成を抑えるとは意外でした。

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