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日産、コネクテッドカー専門のデザイン組織を新設

国内外のさまざまな業種から人材を募り、30―50人規模の体制に
日産、コネクテッドカー専門のデザイン組織を新設

日産自動車公式サイトより

 日産自動車は、コネクテッドカー(つながる車)の普及を見据えた新たな付加価値作りに取り組む。このほどデザイン部門内に、コネクテッド化に対応するデザイン組織を新設した。自動車用アプリケーションのユーザーインターフェース(UI)とコンテンツ(情報内容)を、デザインの側面から検討。サービス開発部門と連携し、ユーザーに使いやすいサービスの開発とともに、自動車のデザイン性向上につなげる。

 新設した「UX/UIデザイン部」は、アプリの操作方法や画面構成などのUIと、ユーザーエクスペリエンス(顧客体験)のデザインを担う。UXとUIのそれぞれのデザイナーで構成。国内外のさまざまな業種から人材を募り、30―50人規模の体制になる見込み。

 グローバルデザインセンター(神奈川県厚木市)と、東京都内にあるコネクテッドサービスの研究開発拠点で活動する。コネクテッドモビリティーサービスの開発を担う部署と共同作業を進め、車のデザイン性を伴ったサービス開発を目指す。

 電動化や自動運転機能など先端技術の導入が今後加速する中で、自動車の形状やデザイン面でも変革が求められている。そのためメーカーのデザイン部門にとっては、先進技術の影響を把握しつつ、ユーザーニーズに適したデザイン作りに取り組む必要性が一層高まっている。

 日産では従来、コネクテッド化がデザインにどういう影響をもたらすのか不明確だった。今回の組織新設を通じて、コネクテッド技術を搭載しつつデザイン性の高い車作りを追求する。
日刊工業新聞2017年8月25日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
4月にグローバルデザイン担当に就任したアルフォンソ・アルベイザ専務執行役員。アルフォンソ氏は「技術の進化を生かしながら、顧客が新たにどういうモノを求めているかを組み合わせてデザインを考える必要がある」と強調する。急速に進む技術革新の動きをメーカーとユーザーの両視点で捉え、デザインに落とし込めれば、日産の商品力を一層高められるはずだ。デザインチームの今後の成果に注目したい。 (日刊工業新聞第一産業部・土井俊)

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