ダイハツ“みんなの技術化”って何?

調達担当役員に聞く「皆さんの技術を知りたいというスタンスで」

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ダイハツ公式ページより
 ―トヨタ自動車による完全子会社化で新興国小型車事業を任されました。
 「トヨタグループ内で各社の役割が明確化され、ダイハツは軽自動車と新興国小型車領域を担うことになった。その中で調達は、DNGA(開発中の新設計思想)実現を通じてダイハツらしい良品廉価なモノづくりを実現しなければならない」

 ―具体的には。
 「ダイハツは先端技術の低コスト化、コンパクト化を考えなければならない会社。調達としても、先端技術を社会のみんなが使えるようにしないといけない。技術開発の進度を見つつ、段階に応じた発注シナリオを策定・実行する」

 「DNGAに対して調達部門は部品別発注戦略を具体的に描き始めている。新興国は未成熟なサプライヤーが多い。支援しつつ、現地現物で良品廉価な部品を一緒につくり上げていくことが重要だ」

 ―先端技術をいち早く“みんなの技術にする”ための仕掛けは。
 「今、盛んに行っているのが、週一回の割合でサプライヤー5、6社に本社へ来てもらって、新製品を説明してもらう展示会。調達部門だけで無く、技術部門や経営陣なども見に行って、DNGAに織り込めるような技術、その先の技術までを見極めようとしている」

 ―従来との違いは。
 「昨年までは年5―6回で、ダイハツに合ったものを提案してもらう姿勢だった。これを改めて、皆さんの技術を知りたいというスタンスで、取引の有無にとらわれず、自動運転などの新技術だけでなく、軽量化や低コスト化など多様な提案を頂いている。面白いものも多い」

 「各社の技術進化への取り組みは、大小の規模を問わず、目を見張るものがある。オープン&フェアの思想で、そういったものを上手に採用していくのが調達の役割だ」

 ―完全子会社となり、トヨタグループのサプライヤーとの関係強化も期待できます。
 「従来から取引はある。高い技術を持つ企業が多く、当社が十分に見られなかった部分をオールトヨタグループの位置付けで見ることができればと思っている。ただ、先端技術は簡単ではない。腹を割った話をしながら、グループの絆を強め、新しい関係を築きたい」

 「完全子会社化の狙いは両社のそれぞれの強みで、それぞれの弱みを補完し、グループの力の最大化を図ること。ダイハツは軽で事業を成立させてきた自負がある。この経験をグループ全体に生かしたい」
ダイハツ工業執行役員調達本部本部長・枝元俊典氏

ダイハツ公式ページより

(聞き手=大阪・松中康雄)

日刊工業新聞2017年8月23日

COMMENT

電動化や自動化、安全安心技術、コネクテッド化など、車に要求される進化はとどまらない。ダイハツは軽に見合う価格をコンセプトにしつつ、低燃費や安全安心などのニーズを捉えたクルマづくりを進めてきた。トヨタのリソースを使い、国内で先端技術の“みんなの技術化”を加速し、新興国では存在感をさらに高めてほしい。 (日刊工業新聞大阪支社・松中康雄)

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