大企業の優秀人材とスタートアップつなぐ、副業仲介に脚光

連載・副業市場 遠隔でマネジメント #01

副業人材市場が注目されている

副業人材市場が注目されている。働き方改革などで大企業を中心に残業管理が厳格になり、生まれた時間を有意義に使おうと学び直しや副業が選ばれている。タスク仲介や転職仲介が副業仲介に参入して市場を広げる。副業人材は時間や場所に制約のある働き手だ。副業活用で遠隔就労の環境が整うと子育てや介護、病気などで制約を抱えた働き手にもチャンスが広がる。(取材・小寺貴之) 「スタートアップの活性化には大企業から新興企業への人の流れが必要。副業は重要なパスになる」とTomyK(東京都千代田区)鎌田富久社長は指摘する。日本では大企業に優秀な人材が集まってきた。業界に精通し実務経験も豊かな人材はスタートアップにとって即戦力だ。大企業に待遇面で劣っても、副業なら別の価値を提案できる。 副業を探す働き手にとってもスタートアップでの経験は魅力的だ。裁量が広く、経営視点で事業を立ち上げる経験を積める。そこでクラウドワークスは副業人材仲介を始めた。現行のタスク仲介と比べて、副業は仕事の権限が大きく、優秀な人材を一本釣りすることになる。成田修造副社長は「コンサルタントに依頼する5分の1のコストで専門人材を獲得できる」と自信を見せる。副業契約締結時に成功報酬として20万円(消費税抜き)をえる。副業案件の掲載は無料だ。 副業を正社員転職へのお試し期間としても位置付ける。雇用企業と働き手、双方が相性を確認してスムーズな転職を促す。同社としては人手不足で拡大する転職市場に、副業を看板に参入した形だ。 クラウドワークス自身も副業者を多く抱える。従業員の半数以上が副業経験者で、3割は実践している。コミュニティマネジメント担当の田中健士郎リーダーもその一人。reborn(神奈川県逗子市)で副業し、仕事は毎日往復2時間の通勤時間を当てる。田中氏は「副収入が目的だと繁忙期に心が折れてしまう。自らを奮い立たせるためにも何を成し遂げたいか明確にしておくべきだ」と指摘する。田中氏の場合は「暮らし」と「働く」を近づけること。完全遠隔勤務で働き手としての価値を発揮するのは簡単ではない。本業で環境を整備し、副業で実践する。 副業は働き手の負荷管理がよりシビアになる。クラウドワークスは仕事のタスク分解や分担、進捗(しんちょく)管理をチームとして請ける事業ももつ。成田副社長は「人材仲介だけでは差別化が難しい。仲介後の環境サポートも含め支援していきたい」と展望する。

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