自宅にいながら店舗で買い物…ANAが描くアバターが生きる世界

来夏に1000体が社会インフラに

片野坂社長(左)の説明でアバターを体験する綾瀬はるかさん

 ANAホールディングス(HD)は2020年4月、時間や距離などの制限を超えられる分身ロボット「AVATAR(アバター)」のサービスを始める。自宅にいながら、あたかも店舗を訪れているかのように買い物できたり、病院のベッドから水族館の館内を見て歩けるサービスなどを想定。航空会社が考える“未来の暮らし”を18の社会実装パートナーとともに具現化する。  千葉県美浜区で15日に開幕した展示会「CEATEC2019」のキーノートスピーチに立った片野坂真哉社長は「すべての人類が物理的な制限を超えて移動し、つながり支え合う社会を実現する」と意欲を示した。  アバターとはロボティクスをはじめ、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、各種センサー・通信、ハプティクス(触覚)といった技術の融合で実現する疑似的“瞬間移動”の手段。遠隔地に置いたアバターにインターネット経由でアクセスして、従来は現場に赴かなければできなかった体験を可能にする。  ANAHDは移動体でもあるコミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」を開発。サービス基盤「アバターイン」を通じて誰もが、どこからでもスマートフォンやパソコンを使ってニューミーを操作することができる。  プロジェクトを率いるグループ経営戦略室アバター準備室深堀昂(あきら)ディレクターは「航空会社が運んでいるのは世界の人口の6%にすぎない。もっと便利な移動手段を提供する」と意義を強調。アバターを「次世代モビリティー×(かける)人間拡張の技術だ」と紹介する。  アバターは教師が操作すれば遠隔授業、医師が操作すれば遠隔診察のように、操作する人の属性や能力に合わせて誰にでもなれる。ANAHDは社会インフラ化に向け、パートナーの自治体や研究機関、企業とともにニューミーを各所に普及を目指す。10月から順次各地で実証に着手し、20年夏に1000体の稼働を見据える。  外装や高さをカスタマイズできるニューミーは、量産を念頭に製造コストを1体数十万円程度に抑えた。導入先にリースでの提供を想定。サービスは、ワンコイン程度から購入できるように検討しているという。  15日にはニューミーに続く屋外型二足歩行アバターの開発も発表した。米オレゴン州立大発スタートアップのアジリティーロボティクスと提携し、21年のサービス開始を狙う。階段や山道の移動や荷物の運搬にも対応。観光用途のほか、災害時の救助や危険な場所での作業も可能となる。

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