電子部品が変える「5G」と「CASE」の未来

ニュースイッチラボ in CEATECを10月17日に開催

日刊工業新聞2019月2日11日/9月19日の記事を再編集  高速・大容量の第5世代通信(5G)のプレサービスがスタートし、電子部品は受注合戦が始まった。スマートフォンだけでなく、基地局やデータセンターなど裾野は広い。米中貿易摩擦の影響で世界経済の行方に不透明感が強まる中、5G向けの旺盛な需要を取り込むべく、各社の期待は高まる。  日本電産は5Gで“デジタルデータ爆発の波”が到来すると期待する。情報量の増大により、冷却やハードディスク駆動装置(HDD)などでモーターが使われるデータセンターの数量が高まる。ビジネスチャンス拡大に備え、18年末には台湾の放熱部品メーカーを買収。冷却に必要な熱管理技術を高めて、データセンター用モーター需要を取り込む。5Gは、これからの成長のカギとなる「“ホット”な話題だ」(吉本浩之社長)。  村田製作所や京セラも5Gに起因する市場拡大が加速すると見る。IoT(モノのインターネット)化との相乗効果で、電子化の裾野が広がるからだ。米中貿易摩擦が懸念材料だが、京セラの谷本秀夫社長は、「5Gや先進運転支援システム(ADAS)、IoTで設備投資を大きく減速するつもりはない」と断言する。  TDKは、フリップチップ実装機「AFM―15シリーズ」に、半導体チップを業界最速の0・65秒で基板に取り付けられる新タイプを投入。5G対応のスマホでは、半導体を乗せるデバイスが増えることから、これに対応した。太陽誘電も今後の5G需要も見越し、約150億円を投じて新潟県内の子会社の敷地内に、積層セラミックコンデンサー(MLCC)生産の新棟を新たに建設する。  三菱電機は、通信基地局で使う高周波デバイスを生産する。基地局の5G対応に合わせ、19年度中にも新型デバイスの生産体制を拡充する。同デバイスの半導体材料には、5G用の周波数帯の特性に適した窒化ガリウム(GaN)を採用し、高性能化を狙う。  現在、基地局で使う高周波デバイスの半導体材料にはシリコンを使うのが一般的。だが5Gでは、現在の4Gより高い周波数帯が割り当てられる予定。そのため高周波出力のGaNを採用しないと、設備の小型化や省電力化が困難になる。  5Gは自動車業界の大きな変化であるCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)とも連動する。電子部品各社はCASEのうち、どの領域に優先して注力しているかをまとめると、京セラや村田製作所などが自動運転を1位に挙げる。  積層セラミックコンデンサー(MLCC)は、電装化の進展で今後、自動車への搭載数がさらに増えると予想されている。ただ、村田製作所は耐温度性、耐電圧などの高信頼性が必要なパワートレーン系向けに照準を合わせている。太陽誘電も同様に電動化領域向けでの製品開発を進める。TDKはADAS向けと電動化向けの両方を視野に入れる。  安全意識の高まりからADASや自動運転システムを搭載した自動車も市場拡大が見込まれ、これらに必要なカメラやセンサー数は増加傾向にある。  京セラはADAS向けに人工知能(AI)を搭載したカメラモジュールの開発を進めるほか、自動運転向けに距離計測センサーのLiDAR(ライダー)と画像センサーを一体化したモジュールの量産を計画する。  村田製作所は圧電セラミックス箔(はく)をセンサーに応用し、人の筋肉振動を検知可能な車載向け「たわみセンサー」を開発中。また、開発した微小電気機械システム(MEMS)の3軸傾斜センサーの用途開拓を進める。運転者の生体情報のモニタリングにはアルプスアルパイン、位置情報の検知にはTDKが力を入れている。  “走るコンピューター”にかかせないコネクテッド領域は、自動運転領域と対で推進する企業が多い。京セラが9月にサンプル出荷を始めた、高速伝送対応で小型な基板対基板コネクターも、レーザー光で距離を計測するライダーや電波を使ったミリ波レーダー、ドライバーモニターカメラなどの車載機器向けを想定している。 ~メディアと一緒に語ろう!5G・モビリティで変わる電子部品の未来~  CEATEC2019の会場において、「ニュースイッチ」が主催するセミナーを開催することとなりました。日本の産業でも競争力の高い電子部品業界にフォーカスを当て、パネリストには最新技術動向やビジネス展開などを語っていただく予定で、電子部品業界のなかでもリーダー的企業3社のご登壇を予定しております。 <パネリスト> ●京セラ株式会社 研究開発本部 コミュニケーションシステム研究開発部 部長 福島 勝 氏 ●アルプスアルパイン株式会社 Tプロジェクト プロジェクトマネージャー 齊藤 克哉 氏 ●タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 データアンドデバイス(Data & Devices) アドバンスド テクノロジー シニアディ レクター 白井 浩史 氏 <モデレーター> ●日刊工業新聞社 デジタルメディア局 局長 明 豊 <開催概要> 日時:10月17日(木)15時00分~16時30分 会場:幕張メッセ 会議棟102会議室 定員:150名 ◆ 日刊工業新聞2019月9月20日 <取締役常務執行役員・笹尾泰夫氏に聞く>  ―自動運転領域を最優先に掲げています。  「市場はレッドオーシャン(消耗戦)化しているが、ハードウエアとソフトウエアの両方を持つ当社なりにこの領域で存在感を高めたい」  ―同領域でセンシング技術をどう高めますか。  「旧アルプス電気が従来から取り組んできた位置検知などのセンサーに加えて、運転者の生体情報をモニタリングしたり、経営統合したアルパインカンパニーが持つカメラを使った状態検知などを組み合わせていく。さらに、ミリ波を使った周辺検知や、新たな技術として力を注いでいるデバイスの位置を正確に測定する測距技術などとも組み合わせていく。一つの技術で全てを解決するのではなく、関連技術を結び付けることで精度を高められる。センサーフュージョン(融合)を目指したい」  ―コネクテッド領域には、どのような製品群で臨みますか。  「センシングしたデータを車内外でデータ通信する場合に、さまざまな通信方式が必要になる。それを集中制御するテレマティクス制御ユニット(TCU)の開発に注力している。TCUは第5世代通信(5G)にも対応できるよう開発中。早期に実用化したい」

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