CEO交代の三菱自、15年間の「益子体制」からいつ脱却?

当面は二人が連携、日産・ルノー連合との関係がカギに

左から益子会長と加藤CEO

 三菱自動車が新たな経営体制を整えた。会長兼最高経営責任者(CEO)だった益子修氏が、提携先の日産自動車、仏ルノーとの連携強化に専念するためにCEO職を退任、インドネシア子会社社長を務めていた加藤隆雄氏が後任として就いた。安定した成長に向けて益子会長と加藤新CEOとの連携がカギを握る。  「新時代に向けて、これまでの常識にとらわれない若いリーダーに任せていきたい」。株主総会で益子会長は新体制についてこう説明した。  益子氏は三菱自経営再建のために三菱商事から送り込まれ、04年に常務、05年に社長になった。16年に燃費不正が発覚した際、日産自動車からの出資を受け入れる決断をし、日産とルノーの連合に合流した。  この間、選択と集中を進め拡大路線から転換。米欧から生産撤退する一方、東南アジアなど新興国に照準をあわせ再建をけん引した。今後も「小規模でも持続的な成長」(益子会長)に向けた体制を整えるために今回、トップの若返りを決めた。  加藤CEOはロシアやインドネシアで工場の立ち上げを手がけるなど海外経験が長いだけでなく、「異文化を理解する包容力を兼ねそろえる」(同)という。  今後、最重要地域の東南アジアで供給網の整備など体制強化を進めるにあたり、現地との調整などで加藤CEOの手腕が期待されるところだ。  一方、日産とルノーとの3社連合に関しては、当面益子氏が協議などを担当する。3社連合の扇の要だったカルロス・ゴーン前会長が逮捕されて以降、日産とルノーの主導権争いは激しさを増している。3社連合の大前提となる日産とルノーの提携関係が揺らぐ中で、三菱自が連合のシナジーを引き出すには、益子会長と加藤CEOの緊密な連携が欠かせないだろう。  「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」という業界の新潮流で小規模メーカーの三菱自が単独で生き残るのは難しく、連合のシナジー活用も重大な経営課題だ。今後、三菱自は20年度を初年度とする次期中期経営計画の策定を始める。新トップ体制が描く成長戦略が試金石となる。 (文=渡辺光太)

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