国立大の運営費交付金に衝撃、“評価に基づく傾斜配分”あっという間に10割に!?

2022年度から「仕組みを全体に広げる」方針

 国立大学の運営費交付金の2019年度予算案で、約1割に当たる1000億円を“評価に基づく傾斜配分”とする厳しい仕組みが公表された。衝撃的なのは、国立大の第4期中期目標期間が始まる22年度から「評価と配分の仕組みを交付金全体に広げる」という方針だ。各教員の業績に連動する研究と教育が、評価の本丸として控える。国立大改革は04年度の法人化以降で新たなヤマ場を迎える。  国立大の運営費交付金の19年度予算案は、1兆970億円で前年度比同額だ。交付金内での評価に基づく傾斜配分は、16年度の第3期の中期期間から始まり、各大学独自の目標と重要業績評価指標(KPI)に対して行われている。これに19年度も300億円分が当てられる。しかし項目が大量で作業は煩雑、自己指標のため高評価になりがちだ。そのため20年度以降は縮小の予定だ。  これに対して新規700億円分は、客観評価が可能な共通指標(表)で、全国立大の成果を数字で評価し、配分につなげる点が異なる。内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)は「第4期が始まる22年度には、全交付金を対象に評価・配分を広げる」とし、影響は半端ではない。  評価は国立大の主な方向性である世界、特色、地域の3類型ごとの相対評価だ。指標のうち「外部資金獲得、若手研究者比率、人事給与改革は夏の概算要求から示しており、理解が進んでいる」と文部科学省高等教育局の国立大学法人支援課は説明する。  しかし第4期に向けた本丸は研究と教育だ。研究はまず、19年度に3類型で世界を選んだ研究型大学で、トップ10%論文をみる形で試行する。一方、教育は地方大学や人文社会科学系でより重要な部分だが、一般に評価が難しい。これに対しては、学生や企業・自治体などのステークホルダー(利害関係者)による“360度評価”で多面的に効果をみるという。  注目したいのは概算要求時になかった会計マネジメント改革が指標に入ったことだ。「大学の部局ごとに人件費の中身を含め、研究・教育の成果がコストに見合うものか評価し、配分すべきだ」とCSTIで上山隆大議員は言及した。これに向け、分野別特性を踏まえた指標を19年夏までに検討する計画だ。  研究・教育活動の評価は各教員の状況をさらけ出し、政府が推進する業績給・年俸制の拡大と連動することになっている。現場の教員の強い反発が予想され、軟着陸できるかは不透明だ。 (文=山本佳世子)

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