全国の研究室で自由に実験…機器や技術のシェアサービス手がける東北大発ベンチャー

コラボメーカーのサービス「コラボメーカー」

材料・ライフサイエンス系を中心にさまざまな実験機器を登録している

 「研究開発の民主化を進めたい」―。コラボメーカー社長の古谷優貴は、実験機器・技術のシェアリングサービス「コラボメーカー」に力を入れている。  同サービスは企業や公的機関、大学などが実験機器を提供し、使いたい人とをつなぐプラットホーム。いわば民宿の世界的なシェアリングサービス「『Airbnb』の実験機器版のようなもの」(古谷)だ。  使用者は同社のサイト内で実験分野や目的、地域などの条件を検索。全国から登録された実験機器とマッチングさせる。機器を借りるのみの利用だけでなく提供者に実験の補助を依頼したり、実験を委託したりすることもできる。機器を探す際に同社のコーディネーターに相談することも可能。提供者が許可すれば、誰でも使うことができる。  サービスを考案した背景には古谷の経験が大きい。古谷は東北大学や大手総合化学メーカーで研究開発をしてきた。しかし「本当にやりたい実験をできない」(古谷)現状があった。さまざまな理由があるが、使いたい機器が使えないことが大きいという。  実験機器は1台数百万―数億円。限られた研究予算の中で新たに購入するのは難しい。他の大学や企業の設備を利用するにも、共同研究規約などを結ぶ必要があるなどハードルが高かった。  一方、大学や企業などでは休眠設備を目の当たりにしてきた。この両者をつなぐ仕組みがあればよいと考えた。研究者は各地で自由に実験ができるようになる。提供者も稼働していない機器から収入が得られるようになり、双方にメリットがある。  2017年4月に東北大学発ベンチャーとしてスタートした。すでに東北や関東を中心に全国で1300以上の実験機器を登録している。いずれは「全国すべての機器を扱いたい」(古谷)と意欲的だ。  当面は全国の有形固定資産費(研究開発用)の約1割にあたる1500億円程度の市場構築が目標。5年以内に取引総額約350億円のプラットホームに育て上げる。今はベータテスト期間だが、19年には本格的にサービスを始める予定。  日本中の研究室を結び自由に実験ができるようになれば、低迷する「国内の論文数にもいい影響を与えられる」。 【企業プロフィル】 ▽代表=古谷優貴氏▽住所=仙台市青葉区荒巻字青葉6の6の40▽資本金=2200万円(資本準備金含む)▽設立=17年(平29)4月

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