選挙に揺れた電力株、「原発ゼロ」の懸念後退

上値回復、再稼働の是非カギ

「再稼働組」は収益改善が進む(九州電力川内原発)

 9月28日の衆院解散から10月22日の総選挙まで、選挙戦の情勢の変化は電力各社の株価を直撃した。原発ゼロを掲げる小池百合子東京都知事率いる希望の党の誕生で、9月28日には関西電力が前日比で5%超下げるなど電力9社が売り込まれた。自民党の勝利で、電力会社にとっては「原発ゼロ」政策の懸念が後退したが、上値は重い展開が続きそうだ。  9月28日に「小池ショック」が電力各社を襲った。関西電力の終値は前日比81円安の1463円まで下げた。関電は9月20日に2018年3月期の中間配当予想を1株当たり15円(前期は0円)にすると中間期としては6年ぶりの復配を発表したばかりだった。  市場関係者からは「個人投資家の思惑による原発銘柄売りで一時的」との見方もあったように、希望の党の失速に伴い、むしろ、関電や九州電力など原発の再稼働が進む銘柄は株価が上昇。市場全体の底上げもあり、関電の10月24日の終値は1574・5円と解散前より高い水準にある。  原発再稼働で収益改善を進める企業に対して、再稼働が不透明な各社の株価は上値が重い。東京電力ホールディングスは470円前後で推移する。  原子力規制委員会から再稼働を目指す柏崎刈羽原発6、7号機の新規制基準での事実上の審査合格を得たが地元自治体は慎重な姿勢を崩していない。  泊原発の再稼働の見通しが立たない北海道電力も衆院選前から株価は弱含んでいた。JPモルガン証券が再稼動を19年下期と予想したことで、26日に前日比6%以上急伸したが、持続力は未知数だ。  国はエネルギー基本計画の見直しに着手しており、原発の位置付けが焦点。電力各社幹部は「原発をベースロード電源とする前提ならば原発の新設は必要」と訴えるが、世耕弘成経済産業相は「骨格を変える必要はない」としており、大幅な改定は見送る方針が濃厚だ。  電力自由化で競争環境が厳しくなる中、電力大手への向かい風はやんだが、追い風はしばらく吹きそうにない。

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