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ダイハツ、再び生産停止…「タフト」など8車種以上

ダイハツ、再び生産停止…「タフト」など8車種以上

乗用車「トール」などの生産を止めるダイハツ京都工場

ダイハツ工業が10月末から主力の軽乗用車「タフト」など8車種以上を生産停止することが、25日までに分かった。11月から規制が強化される安全・環境性能に適合する改良が間に合わず、トヨタ自動車向けも含め多くの生産を止める。ダイハツは規制適合の認証試験不正による全車種生産停止を、7月にほぼ終えていた。受注も停止前の水準に戻っていただけに、再停止は業績回復や部品などを供給するサプライヤーにも痛手となりそうだ。

10月末から生産停止するのはタフトが3週間、軽スポーツ車「コペン」が7週間。10月末か11月初旬から止めるのは乗用車「トール」が5週間、軽商用車「ハイゼット カーゴ」が1週間、同「ハイゼット トラック」が半年間、乗用車「ロッキー」が1週間。トヨタ向けブランドの乗用車「ルーミー」と乗用車「ライズ」も含めると、8車種以上に上る。ただ受注への悪影響を最小化するため、各停止期間の短縮も検討する。

国土交通省は1月の能登半島地震によるサプライチェーン(供給網)への影響を考慮し、衝突や排ガスなど主に8項目の新たな安全・環境規制適用を11月に延期した。しかしダイハツは認証不正の再発防止策で、要因とされた開発期間短縮のしわ寄せが認証に及ばないよう、問題が生じれば開発を延長する手順に改めた。認証不正車の再試験や新規制適用に、大きな負荷がかかっている。このため新規制が延期されながらも、全車種を同時に適用させる改良が困難となった。23年12月に国交省の指示で全車種の生産を停止後、7月に全車種の生産再開へこぎ着けたが、再び大規模な生産停止に追い込まれることになる。

新型車開発も新規制適用を優先し、24年以降に後回しする。ダイハツの生産再開で復調していたサプライヤーは、再び受注が減少する。再度の生産停止や新型車の投入遅れで、受注計画の下方修正を迫られそうだ。ダイハツは「商品計画にかかわるためコメントできない」としている。

日刊工業新聞 2024年08月26日

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