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トヨタ・日産・ホンダ…乗用車8社の世界生産、2年ぶり前年割れのワケ

乗用車メーカー8社が30日発表した2024年上期(1―6月)の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同期比5・5%減の1186万2425台で2年ぶりに前年割れとなった。認証不正の影響で国内生産が減少したことに加え、中国やアジアでの競争激化の影響を受けて海外生産もマイナスだった。

各社の世界生産はトヨタ自動車日産自動車ホンダ三菱自動車マツダダイハツ工業が2年ぶりの前年割れとなった。

特に中国やアジアでの不振が目立った。新エネルギー車(NEV)の市場拡大や価格競争の激化で中国生産はトヨタが前年同期比21・4%減、日産が同8・1%減、ホンダが同32・7%減と落ち込んだ。トヨタは2年連続、日産、ホンダは3年連続マイナスと中国生産の減少が続いている。三菱自はタイ、インドネシアなどアジア生産が同14・7%減と苦戦した。

ダイハツは認証不正による影響が大きく、国内、海外ともに減少。マツダは海外が増加したが、国内が減少したことが影響した。

一方、スズキSUBARU(スバル)の世界生産は4年連続の前年超え。スズキは国内で新車効果があったことに加え、インド生産が新ラインの稼働もあり過去最高となるなどけん引した。スバルは労働災害の発生で国内は減少したが、海外が伸びた。

8社合計の6月単月の世界生産は、前年同月比12・3%減の193万2487台となり、2カ月連続で前年同月を下回った。マツダとスバルを除く6社がマイナスで、トヨタと日産、ホンダ、三菱自は2ケタ減となった。スズキはインド生産が減少して6カ月ぶりに前年割れ。ダイハツは10カ月連続で前年割れだったが、国内は9カ月ぶりに前年超えとなった。


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日刊工業新聞 2024年07月31日

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