超高張力鋼板の曲げ返り抑制…JFEの技術、車骨格に採用
JFEスチールが開発したプレス成形時に超高張力鋼板のスプリングバック(曲げ返り)を抑制する技術が、ロッカーインナーと呼ばれる自動車の車体骨格部品に採用された。1180メガパスカル(メガは100万)級の超高張力鋼板をプレス成形する際、前工程の形状を最適化し、曲げ返りの要因応力を相殺する応力を付与するのが特徴。自動車部品メーカーを通じ、国内自動車メーカーに納入される。
同技術「壁折リストライク工法」は自動車部品メーカーの協豊製作所(愛知県豊田市)と共同開発し、ロッカーインナーの量産時金型に適用した。一般的に鋼板はプレス成形後に金型から部品を取り出す際、元の形状に戻ろうとするスプリングバックへの対応が欠かせない。超高張力鋼板は車体軽量化に貢献する一方、通常の鋼板と比べプレス成形時の応力が高くなり、スプリングバック量が多くなる課題があった。
JFEスチールは素材提供に加え、車体軽量化に役立つ技術を提案し、超高張力鋼板の適用拡大を後押しする。
日刊工業新聞 2024年06月17日