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大型・中型トラック販売…3ヶ月連続プラスも、増加基調の継続が見通しづらい理由

日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめた4月の大型・中型トラック(登録車種「普通貨物車」から積載量1―2トンの台数を除いたもの)の販売台数は、前年同月比26・7%増の5437台となり、3カ月連続で前年同月実績を上回った。課題だった架装メーカーの生産能力不足によるリードタイムの長期化について、日野自動車の小木曽聡社長は「これから少しずつ正常化していく」と説明する。ただ、記録的な為替の円安などもあり、台数の増加基調が続くかは見通しづらい。

※自社作成

4月の台数実績ではUDトラックスを除く3社が前年同月に比べて2ケタ以上の伸びを示した。日野自は前年同月比58・1%増、いすゞ自動車は同33・1%増と大きく伸ばした。前年同月に一部影響が残っていた半導体不足による生産制約の解消も伸びに寄与した。

部品の調達先が他社と異なり、前年同月に半導体不足の影響を他社ほど大きく受けなかったUDは前年同月を下回った。ただ「生産は変わらず安定的。24年度は23年度以上に台数が増えるのではないか」(柴崎徹UD専務執行役員)と予想する。

三菱ふそうトラック・バスの林春樹副社長も「OEM(完成車メーカー)が新車をどんどん出しているわけではないので、足元はスロースタート。これから緩やかに伸びていくのではないか」と話す。

一方、日野自は国土交通省から認証を取り消されている大型と中型エンジン計2機種について、認証再取得の見通しが依然立っていない。認証不正問題が尾を引いて延期している同社と三菱ふそうの経営統合の行方、それに対する市場の反応なども、今後の台数・シェア争いに影響しそうだ。

日刊工業新聞 2024年05月14日

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