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デジタル人材2.6倍へ、ミネベアミツミの育成計画

ミネベアミツミはデジタル人材の育成を強化し増員する。今後3年以内にデジタル人材を現状比2・6倍の約80人に増やす目標を設定した。データを利活用できるデジタル人材を増やし、製造現場の業務改善や円滑な技能継承につなげる。将来は製造現場とIT部門の間で人材交流などの連携策を視野に入れており、現場の課題解決を後押しする。

ミネベアミツミは現在、IT関連部門に所属する社員約160人のうち、30人程度をデジタル人材として活用。データ利活用のため、分析ソフト「Tableau(タブロー)」などを取り扱う。今後、デジタル人材を育成・増員するため、クラウドや人工知能(AI)などに関する研修への参加を促す。

デジタル人材には複数のデータを分析し、データ間の関係性を発見して業務を効率化する役割などを期待している。例えば、従来は経験者の知見に基づいて行っていた不良品の判断について、デジタル人材が製造現場で発生する音や手触りなどを数値化し、不良品を客観的に判断できるようにする。これにより業務を効率的に改善するほか、現場での技能継承を円滑にし後継者の育成時間の短縮にもつなげる。

デジタル人材の育成計画では、プログラミングに精通していなくてもシステムやアプリケーションを構築できる「ローコード開発」やRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)を扱える人材も養成する。また短期間で試作と改良を繰り返す「アジャイル開発」に関する手法や、デザイン思考を持った人材も育成・確保する。

同社は2020年8月に「AI・DX推進部門」を新設し、デジタル変革(DX)を推進している。佐内桐梧最高デジタル変革責任者(CDXO)は「製造現場の効率化をデジタルで進めたい」としている。

日刊工業新聞 2024年4月4日

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