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CO2排出6割減、大林組などが開発した地盤改良用グラウト材の実力

大林組は14日、大阪防水建設社(大阪市天王寺区)、富士化学(同都島区)と共同で、製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を約60%削減できる低炭素型地盤改良用グラウト材「Infill Hard Geo(インフィルハードジオ)」を開発したと発表した。グラウト材に使用されるコロイダルシリカを工場生産から天然由来のものに置き換えることで実現した。

地盤改良の対象となる土量が1万立方メートルの場合、一般的な注入率によるグラウト材注入量は4050キロリットルとなる。これを製造時のCO2排出量で見ると、従来製品の1308トンに対しインフィルハードジオは563トンと745トン削減できる。

改良した土の一軸圧縮強さは従来製品と同等で、十分な止水性を有することや安全性に問題がないことも確認した。コストに関しても、従来製品と同程度という。

インフィルハードジオは構造物やタンクなどの基礎の耐震補強のほか、港湾や河川構造物の液状化対策で使用できる。今後は施工を大阪防水建設社、製造・販売を富士化学が担い、外販も行う予定。

日刊工業新聞 2024年03月15日

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