極超音速ミサイルを宇宙から探知・追尾、IHI系が実証受注
防衛省は極超音速ミサイルを宇宙から探知・追尾するのに必要な技術の実証事業を、IHIエアロスペース(東京都江東区、並木文春社長)に発注した。研究期間は2028年3月までで、発注額は24年度概算要求分も含めて合計84億円を予定。同省は「引き続き、民間事業者と連携し、安全保障のための宇宙システム利用の抜本的拡大に取り組む」としている。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)と比べて、極超音速ミサイルは低い高度を飛ぶため、レーダーなどで早期検知するのが難しい。同省が発注した技術実証では、IHIエアロスペースがこれから開発する赤外線センサーシステムを宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発する新型宇宙ステーション補給機「HTV―X」に取り付け、地上から模擬の熱源を多数、発射して赤外線センサーが探知・追尾できるかを検証する。
米国も同様の赤外線センサーシステム開発を予定しており、IHIエアロスペースが開発するシステムはこれとのデータ連携も検討する見込みだ。
日刊工業新聞 2024年03月14日