防衛装備庁が実用化目指す方針。洋上射撃試験を実施した「レールガン」とは
防衛装備庁は海上自衛隊と連携して、レールガンの洋上射撃試験を行った。海自の艦艇に小口径のレールガンを搭載し、実射実験をした。脅威を増す中国やロシアなどからの極超音速ミサイルの攻撃に対応する有効な迎撃手段として引き続き大口径化や速射能力アップ、弾丸飛翔時の安定性などで改良を重ね、実用化を目指す方針。
レールガンは、従来の火砲発射火薬の代わりに、電源を持ち、高出力の電流を流して超高速で弾丸を撃ち出す仕組みで、電磁砲とも呼ばれる。超高速で飛ぶため、機関砲では迎撃できないようなマッハ5を超す極超音速ミサイルにも対応でき、艦艇を守るための有効手段として期待されている。高速で連射が行え、ミサイルと異なり弾丸が小さいため相手から探知・迎撃されにくいという長所もある。研究試作品の概要は口径40ミリメートル、弾丸質量は約320グラムで弾丸初速はマッハ6・75という。
装備庁はレールガン研究を2022年度から進めており、24年度も改良研究費として238億円を計上している。エネルギーの高効率化や、弾道の検討による最適の防空体制構築技術がカギとなる。
日刊工業新聞 2023年10月19日